各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 自民・無所属の会
- 視察先
- 福井県 福井市
- 視察案件
- 「福井駅周辺連続立体交差事業と福井駅周辺の再開発事業」について
- 実施日
- 令和7年2月6日
- 参加者氏名
- 山崎 進、鬼丸 裕史、金子 進、水沼 日出夫、石川 友和、
山口 剛一、永田 飛鳳、会田 吉幸
視察結果概要
(1)視察先の概要
福井市は、九頭竜、足羽、日野の三大河川により形成された福井平野に発達してきました。昭和20年7月の空襲、昭和23年6月の福井大震災など、数度にわたって壊滅的な打撃を受けましたが、市民の不屈の精神によって今日の『不死鳥のまち福井』を築き上げ、福井県において政治、経済、文化の中心都市として発展を続けてきました。平成12年11月には特例市に移行し、平成18年2月1日には、隣接する美山町、越廼村、清水町の3町村と合併しました。平成31年4月1日には、市民に最も近い基礎自治体として、さらなる市民サービスの向上と人口減少社会や地域間競争に打ち勝つ活力ある地域づくりを実現するため、中核市に移行しました。そして、令和6年3月16日には北陸新幹線が福井で開業し、首都圏との結びつきも強くなりました。福井市の面積は約530.26㎢です。また福井市の人口は約26万人(令和7年2月時点)です。福井市は県庁所在地であり、福井県内で最も人口が多い都市となっています。福井市は、都市圏としても発展しており、観光や産業、教育など多方面において重要な役割を果たしています。現在、地域の特色を生かしながら日本海側の主要都市として、まちづくりを進めています。
(2)視察内容
「福井駅周辺連続立体交差事業と福井駅周辺の再開発事業」について、事業の目的と背景、連続立体交差事業の効果及び駅周辺再開発の具体的な内容、事業計画における地元住民や商業関係者の意見を反映した方法を調査目的としています。
(3)視察から得られた考察
福井駅周辺の立体交差事業と再開発事業は、福井市の都市機能を向上させ、地域の交通利便性を高めることを目的として行われています。立体交差事業は、道路と鉄道の踏切を解消し、交通の渋滞や事故のリスクを減らすことを主眼に置いています。再開発事業は、商業、住宅、公共施設などを組み合わせた複合的な都市整備を目指しております。
立体交差事業により、鉄道と道路の交差点での待機時間が削減され、宝永踏切の遮断時間は7.2時間から0時間(渋滞長90mから0m)へ、清川踏切の遮断時間は6.0時間から0時間(渋滞長395mから0m)へと通行時間の短縮や渋滞解消が期待されました。
また再開発エリアには、『県都の玄関口』としての福井駅西口広場があり、整備前は路面電車停・バス停留所・タクシー乗降場がそれぞれ離れており、乗り継ぎに不便を生じておりましたが、駅西口広場の拡張整備、タクシー待機スペースの再整備や路面電車停・バス停留所を駅前広場に集約することにより、電車からの二次交通の接続性が高められ、福井駅の交通拠点化が実現されておりました。
駅前には商業施設、オフィスビル、住宅、公共施設などが一体となった複合施設があり、特に、観光やビジネスの拠点として活用される商業施設や、住宅の整備が進むことで、人口の流入や地域の活性化が期待されます。
福井駅東口側は、『広域的な玄関口』として、広域観光の発信拠点とする整備がされております。福井駅西口側の再開発ビル(愛称)ハピリン及び東口側の再開発ビル(愛称)アオッサは共に完全民間主体で運営されております。
今回視察致しましたハピリンには、多目的ホール内に能舞台が設置しており、伝統芸能を楽しむことができます。商業・住宅・公共施設が集まることにより、地域間の交流や経済的な相乗効果が生まれることが予想されます。
事業計画の策定にあたっては、地元住民や商業関係者との意見交換を重視し、住民説明会やアンケート調査、意見募集などを通じて、地域のニーズや懸念点を反映させておりました。また、商業施設に関しては、地元の経済や文化を尊重した開発が進められ、地元の活性化を図る方針が採られています。
立体交差事業と再開発事業の財源には、春日部駅連続立体交差事業と同じように国庫補助や地方自治体の予算が充てられています。
福井駅前の再開発にあたり、既存の商店街については、商店街を再編しようとする動きがあるようです。
駅前再開発事業のような、非常に規模の大きいプロジェクトには、行政と民間企業、地域住民が密接に連携し事業を進めていかなくてはならないことを痛感いたしました。春日部駅連続立体交差事業及び駅前地区の再開発においても同様であり、既存商店街の方々、地域住民の方々、事業者、行政が緊密に連携し、また今回の視察でも行った小松駅の施設設計を行った民間での経験のある専門職員が必要であると考察します。

視察の様子