各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 自民・無所属の会
- 視察先
- 石川県 金沢市
- 視察案件
- 「金沢スポーツコミッション」について
- 実施日
- 令和7年2月4日
- 参加者氏名
- 山崎 進、鬼丸 裕史、金子 進、水沼 日出夫、石川 友和、
山口 剛一、永田 飛鳳、会田 吉幸
視察結果概要
(1)視察先の概要
金沢市は本州のほぼ中心に位置し、明治22年(1889年)の市制施行以来、近隣町村との度重なる編入・合併によって市域を拡大し、平成8年(1996年)には中核市に移行しました。面積は約467.44㎢です。これは石川県内で最も広い市であり、都市としての規模も大きいです。金沢市の人口は約46万人(令和7年2月時点)です。金沢市は北陸地方の中でも最も人口が多い都市で、経済や文化の中心地として賑わっています。金沢市の伝統と現代が融合した街であり、歴史的遺産とともに、現代的な都市機能も備えている魅力的な場所です。市内には山も海もあり、自然にとても恵まれています。清らかな犀川や浅野川の他、わき水も多く、水が豊かな町であり、「用水のまち」としても有名です。一方で県庁所在地として交通網や商工業も発展しており、北陸有数の都市として高い利便性も持ち合わせています。気候は日本海側気候に属しており、冬季は雪が多いですが、夏は温暖な気候です。冬季の雪景色が美しく、観光シーズンとしても人気です。
(2)視察内容
金沢市の外郭団体である「金沢スポーツコミッション」について、事業の設立背景や目的、運営体制と関係機関の役割及びイベント誘致とプロモーション手法など、地域経済への貢献や成果を調査目的としています。
(3)視察から得られた考察
金沢市文化スポーツコミッションは金沢市の外郭団体であり、市民向けのインナー事業、プロではなく、アマチュアのスポーツ大会や学生合宿の誘致を基本活動とする、市外向けのアウター事業を対象として、金沢市の豊かな文化資源とスポーツの基盤を活用し、地域振興や観光促進を目的に設立されました。金沢市は、歴史的な魅力を有する一方で、現代的な都市活動にも力を入れており、地域の個性を活かした金沢市の文化とスポーツの融合を進めるために、コミッションが設立されました。
大会期間中や文化・スポーツイベント中にプラスアルファの活動として、記念撮影コーナーを設置し、参加者に観光気分を味わっていただいたり、大会の昼休憩時に芸能披露を行ったり、日替わり役員弁当を提供し大会を支える人を応援し、金沢市の魅力を全国・全世界に発信しております。またアプリのLINEを活用し、LINE登録で飲食やお土産店での割引きを行い、その後のアンケートも行うことで集計が取りやすく、分析も行いやすいとのことで、今後の運営方法の改善に努めておりました。
組織運営は市の観光振興課やスポーツ振興課、文化関連部署などと連携し、事務局を設置し6名で運営されています。誘致から大会前の情報発信、大会当日のおもてなし、大会後のフォローまで全て自主企画で行っており、令和5年4月からの累計申請数は259件、人泊数は22594人にのぼります。
インバウンドで宿泊費も上昇する中、金沢市の旅館協同組合が非常に協力的なので、合宿に関してはwelcomeな状況であり、観光客とは区別して対応してくれているとのことでした。
自治体の一般的な制度では、県外参加者数は20〜50人以上、下限額は3〜5万円、上限額は100〜300万円、伝統芸能披露等に関する助成金は4分の3(40万円を限度)、文化体験等はなし、その他の補助はシャトルバス等、交付先は主催団体のみですが、金沢市文化スポーツコミッションのユニークな制度は、県外参加者数は50人以上、下限額は15万円、上限額は300万円、伝統芸能披露等に関する助成金は3分の2(30万円を限度)、文化体験等は工芸体験等コラボ無料で手配、その他の補助はシャトルバス・平日割引・冬季割増、交付先は主催団体3分の1、主幹団体3分の2、補助金・奨励金の補助先は中央団体3分の1、地元団体3分2となっており、大会誘致の原動力の主体である地元競技団体に金沢市文化スポーツコミッションは支援を行っております。金沢市文化スポーツコミッションは行政、民間、地域住民の三者が協力する運営体制をとっており、コミッション活動の円滑な実施が可能となっておりました。
春日部市におきましても、陸上競技施設が整備された際には、行政主体だけではなく、民間、地域の方々が協力し、春日部市の地域特性や観光資源を活かした誘致活動に非常に参考になる事例であったと考察します。

視察の様子