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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
議会運営委員会
視察先
大阪府 池田市
視察案件
ハラスメント防止条例について
実施日
令和6年11月14日
参加者氏名
石川 友和、 鈴木 一利、 並木 敏恵、 山口 剛一、阿部 雅一、 山崎  進、 吉田   稔、 木村 圭一、栗原 信司(副議長)

視察結果概要

(1)視察先の概要
 池田市は、大阪府の北西部、大阪平野の北辺部に位置しており、市域は南北に細長く、北部は北摂山地の五月山と久安寺川沿いの小盆地、南部は扇状地と猪名川の平野となっています。人口は102,708人(令和6年4月1日現在)、面積は22.14㎢です。
 市内南部には閑静な住宅街が広がり、箕面有馬電気軌道(現阪急電鉄)による宅地開発や阪神間モダニズム文化の影響を受けた街並を擁します。阪急電鉄及び阪急阪神東宝グループの創業者である小林一三も市内に邸宅を構え、現在は「小林一三記念館」という企業博物館になっています。また、日清食品の創業者である安藤百福もこの地に居を構え、自宅横の小屋で世界初のインスタントラーメンであるチキンラーメンを発明したことから、 カップヌードルミュージアム(安藤百福発明記念館)も所在しています。他にもダイハツ工業の本社及びマザー工場も位置しており、本社所在地はダイハツ町という町名となっています。市街地の山手側には高級住宅街とされるエリアが多く、特に北部の五月山山麓や南部の待兼山山麓には富裕層が多く居住しています。

(2)視察内容
○条例制定に至った経緯について
 前市長の庁舎内への家庭用サウナなどの持ち込みなど、一連の報道の事実関係を明らかにするため、令和2年第4回11月臨時会において、地方自治法第100条第1項の権限を付与された「市長の不適切な庁舎使用等に関する調査特別委員会(百条委員会)」を設置し、調査を行いました。調査は、(1)不適切な庁舎使用並びに公金等の私的流用に関すること(2)本会議及び常任委員会等における虚偽答弁に関すること(3)本市職員等に対するパワハラ疑惑に関することについての3つの事項について行い、最終的に令和3年第1回4月臨時会において調査報告書をまとめました。
 調査報告書では、総括として3つの調査項目全てにおいて、問題があると指摘しており、特に、パワハラに関しては、厚生労働省が定める「職場のパワーハラスメントの定義」に照らしても、全てに該当していると認めています。また、報告書の提言では、パワーハラスメントをはじめ、セクシュアル・ハラスメントやマタニティ・ハラスメントなどの各種ハラスメントについては、議員はもとより、職員、市民の皆様においても、いつハラスメントの被害者にも加害者にもならないように、日頃から自分自身の言動を客観的に見る機会を設けること、ハラスメントを未然に防止するために職員等がハラスメントを行わない、許さないという共通認識を持つよう、繰り返し周知徹底を図るとともに、特別職が率先してハラスメントに係る研修に参加することが記載されており、本提言を受けて、議員間において条例を制定する機運が高まりました。そして、令和3年6月15日開催の各派代表者会議において条例を作成することに決定しました。条例の作成については、議会が主体となり、理事者側も出席した条例制定に向けた勉強会を11回開催しました。
○条例の概要について
 百条委員会がまとめた提言を踏まえて、ハラスメントの防止に主眼を置いた、前文と5条からなる理念条例になっており、第4条では研修等の実施が規定されています。
○条例制定の効果(期待する効果)について
・議員…ハラスメント問題に対する認識が高まったように感じられます
・職員…議員からの過度な要求の減少を期待しているように感じられます
○今後の課題などについて
 理念条例にとどめるのか検討の余地があります。

(3)視察から得られた考察
 池田市では、市長の不適切な庁舎使用やパワハラについて、調査報告書において認められており、そのようなことが発端になり条例制定された経緯があります。このような条例を制定することで、ハラスメント問題に対する認識が高まる効果があるようです。
 本市議会では、議長の発議により、現在、議会改革検討特別委員会で協議されています。ハラスメント防止条例の内容を見ると、社会人として、また人として、当たり前の内容が列挙されています。そのような条例を制定しなくても、個人個人が改めて己と向き合い、良好な人間関係を築けるように努めたいと感じた視察でした。

視察の様子
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