各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 議会運営委員会
- 視察先
- 滋賀県 野洲市
- 視察案件
- 議会のペーパーレス化について
- 実施日
- 令和6年11月13日
- 参加者氏名
- 石川 友和、 鈴木 一利、 並木 敏恵、 山口 剛一、阿部 雅一、 山崎 進、 吉田 稔、 木村 圭一、栗原 信司(副議長)
視察結果概要
(1)視察先の概要
野洲市は、滋賀県の南部の湖南地域に位置しており、東南部の山地部と、山地から琵琶湖に向かって緩やかに広がる平坦地に分けられます。人口は50,658人(令和6年4月1日現在)、面積は80.15㎢です。大阪市まで約65キロメートル(約60分)、京都市まで約25q(約30分)の距離にあり、JR東海道線(琵琶湖線・京都線)で連絡されており、京阪神への通勤者も多くなっています。
市の基幹産業は、米作りを中心とする農業です。農林水産業等における資源を、まちづくりに生かすための施設の整備や、地産地消を進めています。そして、まちのもう一つの産業は、大規模な電気機械器具製造業等の工業となっています。製造業は、まちの経済の大きな支えとなっているほか、雇用の機会を増やし、地域の活力を生む源泉として成長が期待されています。また、多数の銅鐸が出土し、「銅鐸のまち」として知られ、他にも古墳群や神社仏閣など豊富な歴史・文化遺産に恵まれたまちでもあります。
(2)視察内容
○タブレット端末及びペーパーレス会議システム導入の経過
平成26年8月、議会改革推進特別委員会において、タブレット端末による議会資料のペーパーレス化について、調査研究がスタートしました。特別委員会での協議、議員研修会などを経て、令和3年7月から、タブレット端末及びペーパーレス会議システムを試行稼働しました。導入したタブレット端末は「Microsoft SurfacePro7 LTEモデル 12.3インチ」、ペーパーレス会議システム「SmartDiscussion」で、コロナ交付金を活用し、指名競争入札によって導入しました。経費は、導入時は約540万円(タブレット端末23台、キーボード、専用ペン、委託料等)で、ランニングコストはシステム使用料として約200万円です。令和3年11月の改選以降、順次ペーパーレス化を進め、令和4年8月から完全ペーパーレス化しました。(ただし、予算・決算関係書類はペーパーレス化せず)なお、ペーパーレス化を進めるに当たっては、代表者会議、議会運営委員会、本会議、委員会等の会議ごとに年間スケジュールを作成し進めました。
○導入の効果等
運用上のメリット・デメリットは次のとおりです。
◇メリット
・会議ごとの資料印刷・配布に係る時間の短縮
・資料誤りによる資料の差し替えが容易
・情報取得の迅速化(会議前に配布資料の閲覧が可能)
・視認性の向上(カラーで見やすく、拡大もできる)。
・紙消費量の削減
◇デメリット
・導入・運用に時間を要する
・タブレット端末及びペーパーレスシステムの操作に個人差がある
・通信障害の影響を受ける
○今後の課題
令和8年6月にタブレット端末の更新時期を迎えるためタブレット端末の更新、及び次期ペーパーレス会議システムの検討を行う必要があります。また、現在は通信を含め全て議会費で負担していますが、通信費の議員負担についてや、予算・決算関係資料を含めた完全ペーパーレス化についても検討する必要があります。
(3)視察から得られた考察
年間通して紙の使用率を半分以下に抑制できたことや、カーボンニュートラルの観点でもペーパーレス化は有効であることは十分に理解できました。
しかし、実際に取り組まれている議員さんの話では、資料の検索や閲覧に関しては、紙で行ったほうが圧倒的に時間も早く、効率的とのことでした。何が何でも完全ペーパーレスという考えが、今の段階では、まだ正解ではないのかもしれないとのご意見が、とても参考になる視察でした。

視察の様子