各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 教育環境委員会
- 視察先
- 大阪府 大阪狭山市
- 視察案件
- コミュニティ・スクールについて
- 実施日
- 令和6年10月25日
- 参加者氏名
- 永田 飛鳳、伊藤 一洋、石川 友和、平沢 一博、中村 貴彰、栗原 信司
視察結果概要
(1)視察先の概要
大阪狭山市は、大阪府東南部の丘陵と平野の接点に位置し、堺市、富田林市、河内長野市に接しています。
地勢は、大別すると北・東部の平野地と南・西部の丘陵地帯に二分され、南から北へ傾斜した地形で、この平野地は東の羽曳野丘陵、北の大阪平野へ、丘陵地帯は南西の泉北丘陵へと連なります。市のほぼ中央に大阪府内第2位のため池・狭山池があり、南から西除川、三津屋川が流入し、狭山池からは西除川、東除川が北流し、大和川に注いでいます。市域でもっとも標高の高い場所は、河内長野市と接する南端の大野付近で、海抜160〜170mとなっています。
(2)視察内容
学校運営協議会は、保護者や地域住民の意向を把握し、学校運営に反映させることにより開かれた学校づくりを進める。また、地域学校協働活動を充実させることで、「地域とともにある学校づくり」を推進しています。大阪狭山市では年に3回実施し、15名以内の委員(保護者、地域住民(民生委員、自治会長等)、地域学校協働活動推進員、校長等、大学教授等)で構成されています。令和2年度に南第一小学校がモデル校としてコミュニティ・スクール(学校運営協議会を設置した学校)となり、令和6年度には市内のすべての小学校がコミュニティ・スクールとなりました。
事業の効果について、各校の地域とともに行う取り組みとして、学習田、ぶどう畑見学、消防団講話、防災学習などの地域学習を充実させるために、首席と地域学校協働活動推進員を中心に地域学習カリキュラムを整理しました。市内すべての小学校を教育課程特別校とし、「地域未来の学習」を10時間、生活科と総合的な学習の時間で新設しました。その結果、こども、教職員、地域の人々にとっての魅力が向上しました。
苦慮したことについて、取り組みが教育委員会が主導で地域がおきざりになっていたため、制度の説明や周知について理解を得られなかったことが挙げられていました。
今後の展望について、小中一貫校としての運営を協議することや中学校区内の各校の連携や地域人材の共有の促進のために、令和7年度より、中学校区に1つの学校運営協議会の設置をしていくとのことでした。
地域学校協働活動推進事業は、学校長の推薦により教育委員会が地域学校協働活動推進員を任命し、各校へ配置することが主な事業内容となっています。令和6年度までに市内のすべての小学校に配置されています。任命された推進員が「地域未来の学習」や「学校支援活動」などの取り組みをコーディネートし、地域学校協働活動の推進を行っています。
苦慮したことについて、推薦者の学校長が地域の実情を把握しておらず、地域学校協働活動推進員の人選が困難なことが挙げられていました。
課題としては、数十年と教育活動に携わってきた地域の方にお願いしている現状で、70代の方も多く、数十年先を見据えた体制作りが必要なことが挙げられていました。
今後の展望として、地域学校協働活動推進員を各中学校に1名配置していくとのことでした。
(3)視察から得られた考察
地域学校協働活動推進事業で「教育課程特別校」となったことにより、「地域未来の学習」が新たに教育課程として編成され、生活や総合学習の時間を使って、小中学校の9年間、それぞれ年間10時間程度、地域学校協働活動推進員が「地域学習」を実施しており、生徒が地域の方々と交流する場が設けられていることが大変よいことだと思いました。
本市においても、大阪狭山市の取り組みを参考にし、今後の取り組みに生かしていきたいと思います。

視察の様子