各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 教育環境委員会
- 視察先
- 大阪府 泉大津市
- 視察案件
- 部活動の地域移行について
- 実施日
- 令和6年10月24日
- 参加者氏名
- 永田 飛鳳、伊藤 一洋、石川 友和、平沢 一博、中村 貴彰、栗原 信司
視察結果概要
(1)視察先の概要
泉大津市は、人口は約7万人、面積は14.33㎢。大阪府の南部に位置し、東西に約5.4㎢、南北に約5.5㎢にわたっています。北部・東部は高石市と和泉市、南部は大津川を境として泉北郡忠岡町と隣接しています。西北部は大阪湾に面し、はるかに六甲山、淡路島を望むことができます。経緯度は、東経135度24分、北緯34度30分。地形は市内全域がほぼ平坦で、全域が市街化区域という恵まれた立地条件にあります。気候は瀬戸内性気候に属し、年平均の気温は17度前後と温暖で、冬季に氷点下になることは少なく、降雨量は年間850〜1,400o程度となっています。
毛布の国内生産の90%以上が泉大津産で、日本一の毛布のまちとなっています。
(2)視察内容
泉大津市では、令和3年度から「合同ゆる部活動」を実施しており、大会の結果や成績等を追及するだけでなく、生徒それぞれの興味・関心や体力、技術等に応じ、特定の種目にとらわれずにスポーツを楽しむことや、心身の調和のとれた発達を促し、生徒が生涯を通じてスポーツ・文化に親しむ基礎を培うことを目的とし、生徒のスポーツ実施率向上、健康増進に寄与する部活動を行っています。
令和4年度には、研修会実施による地域部活動に関する周知、レクリエーションスポーツやダンス、部活動未加入者など運動する機会の少ない生徒をターゲットとした体験教室、大阪体育大学の協力による指導者養成セミナーを修了したグッドコーチを活用した外部コーチの配置と部活動のICT化の実証研究、既存部活動の合同部活動実施への聞取り調査を行っています。
令和5年4月から「地域DANCE クラブ」の活動が始まりました。この活動は、地域が受け皿となり、休日の部活動を行うクラブで、学校の部活動との兼部も可能な3つの中学校の生徒が合同で参加できる地域のクラブ活動で、運営は市の総合型地域スポーツクラブに委託し、高校のダンス部で活躍していた講師等が指導しています。また、令和6年に2つ目となる「地域バドミントンCLUB」の地域運動部活動がスタートしています。
事業の効果について、地域運動部活動として2つの活動を立ち上げることができ、参加者の満足度も高く、地域の新たな活動の場として育ち始めているとのことでした。また、新たに柔道の少年団が地域運動部活動として活動が始まり、地域運動部活動の活動実績が他の競技にも広がりつつあるので、先行活動している運営方法を広めていく必要があるとのことでした。
苦慮されている事柄について、学校部活動を地域運動部活動に移行した場合、今まで自立して活動している地域スポーツクラブとの公平性を考えた場合、どこまで行政が地域運動部活動に対し支援を継続すべきかが難しいとのことでした。
今後の課題について、地域運動部活動の運営方法の実績を活かして、学校運動部活動を地域に移行していく必要があるとのこと。また、地域運動部活動を持続可能な活動にしていくためには、運営に必要な人材や財源の確保について継続的に考えていく必要があるとのことでした。
(3)視察から得られた考察
部活動を地域移行するためには様々な課題があり、行政だけでなく、市内にあるスポーツ組織や団体と連携し、部活動の運営に様々な形で力を合わせていくことが求められていることが分かりました。
本市においても、部活動を地域移行するために今回の視察を参考にし、生徒の可能性の伸長、教職員の働き方改革等、総合的に判断して、今後の部活動の方向性を検討していきたいと思います。

視察の様子