各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 厚生福祉委員会
- 視察先
- 新潟県 長岡市
- 視察案件
- 子育ての駅について
- 実施日
- 令和6年11月1日
- 参加者氏名
- 木村 圭一、会田 吉幸、榛野 博、水沼 日出夫、奥沢 裕介、小久保 博史
視察結果概要
(1)視察先の概要
長岡市は、日本一の大河・信濃川が市内中央にゆったりと流れ、守門岳から日本海まで市域が広がる人口約26万人のまちです。
昭和40年代から50年代には、大規模な都市基盤整備が進められました。国道8号長岡バイパス・長岡大橋の開通、市立劇場の完成、国立長岡技術科学大学が開学するとともに、長岡ニュータウン計画に着手しました。また、上越新幹線、関越・北陸自動車道の開通によって高速交通時代が到来し、まちづくりは急速に進展しました。
平成17年、平成18年、平成22年には合併により広域となり、新たな地域資源を得た長岡市は、新たなまちづくりをスタートさせました。
平成24年4月1日、長岡駅前にシティホールプラザ「アオーレ長岡」がオープン。アリーナ、ナカドマ、市役所から成るアオーレ長岡は、市民協働・交流の場として長岡の新しい顔となっています。
(2)視察内容
長岡市では、こどもの成長に合わせた一貫した支援体制の構築として、平成19年4月、教育委員会に「子ども家庭課」と「保育課」を新設し、こどもの施策を統合しました。こどもたちが健やかに成長していくためには、乳幼児期から思春期までこどもの成長に合わせた一貫した支援体制が必要であり、そのための有効な方策として、母子保健、子育て支援、家庭教育、幼児教育、学校教育、青少年健全育成などを一元的に支援する体制を整えました。 さらに、平成23年4月には、教育委員会に「子育て支援部」を設置。4年間の一元的支援体制の実績を踏まえ、教育と子育て支援の充実を図っています。また、平成28年4月に「子ども未来部」に改称し、さらなる子育て支援に取り組んでいます。
平成21〜24年度の4年間で4か所の「子育ての駅」を開設、平成27・28年度の2年間で9か所の「地域版子育ての駅」を開設しています。「子育ての駅」とは長岡オリジナル「保育士や子育てコンシェルジュのいる屋根付き公園」であり、広々とした公園で親子一緒に楽しめ、雨や雪の日でも遊べる全天候型の施設です。子育て中の親子や子育てサークルをはじめ、子育ての先輩や次代の親となる若者など多くの方々が集いあい、ふれあうことで、ここから世代を越えた交流や子育て支援の輪が広がっています。
今回の視察では、「子育ての駅てくてく」の現地視察を行い、この施設は全国初の保育士のいる全天候型公園施設となっています。
(3)視察から得られた考察
信濃川や堤防、水辺などの立地条件を最大限に生かし、親子のふれあいを深め、こどもの成長を育むことができる場の整備がされていました。また、近隣には商業施設があり、商業施設の利用時など、一時的にこどもを預かる一時保育のニーズにも対応していました。
建物が、まる・さんかく・しかくであり、どの場所で遊んでいても、こどもに目が届くというとてもユニークなかたちであり、こどもたちはどの場所でも目一杯遊んでいる印象を受けました。また、室内の遊具についても、室外に設置してある物と遜色なく、こどもたちは飽きることなく遊び続けられるのではないかと感じました。
懸念点としては、断熱の建物ではあるものの、昨今の夏場の猛暑においては部屋が暑くなるとのことでした。スポットクーラーでの対応はできているが今後何らかの対応が必要になってくると思われます。
本市においても、子育て支援事業について、ソフト面での取り組みの充実と共に、施設の整備調達も検討が必要と考察します。厳しい財政状況の中で最大限の効果を上げることを考える上で、大いに参考とすべき事業であると感じました。

視察の様子