各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 厚生福祉委員会
- 視察先
- 新潟県 新潟市
- 視察案件
- 健康寿命の延伸と取組について
- 実施日
- 令和6年10月30日
- 参加者氏名
- 木村 圭一、会田 吉幸、榛野 博、水沼 日出夫、奥沢 裕介、小久保 博史
視察結果概要
(1)視察先の概要
新潟市は、日本海側のほぼ中央に位置し、首都圏から約250km、面積は726.28㎢を有し、新潟県全体の5.8%を占めています。地勢はおおむね平たん地で、水田に代表される広大な農地、河川・潟湖などの水辺、国定公園にも指定されている山と海、緑多い里山などの豊かな自然環境に恵まれています。新潟県の気候は、豪雪・多雨など日本海の気候特性が顕著であるが、当市は県内各地に比べて雨・雪ともに少ないです。
当市は信濃川・阿賀野川の二大河川に育まれ、穀倉地帯・新潟平野を母体に、港と共に庶民のまちとして、また日本海側の交通の要衝として歩み続け、平成17年には近隣の13市町村と合併し、81万人の人口を有する本州日本海側最大の都市に発展しました。
(2)視察内容
新潟市では、市の健康づくりの推進の方向性を示す計画として「新潟市健康寿命延伸計画(アクションプラン)」を策定し、地域や企業・団体と連携して健康づくりに取り組み、健康寿命の延伸を目指しています。
アクションプランの取組方針は@健診受診率の向上。A食塩摂取量の抑制。B運動習慣の定着。C健康経営の推進であり、アクションプランに基づいた、健康寿命延伸に向けた主な取り組みとしては、@特定健診・がん検診の向上として市の検診を受けた方に抽選でプレゼントを贈呈。Aレストランとの連携による普及・啓発による「野菜deちょいしお」のメニューを提供。B新潟県の健康アプリを使用した事業者向け、市民向けのウォーキングチャレンジの実施。C働き盛り世代の健康度の向上と健康経営の推進(新潟市健康経営認定制度)Dにいがたヘルスパートナー登録制度、などとなっています。
今後の課題としては、検診受診率については引き続き向上をさせること。食塩摂取量の抑制は減塩や野菜摂取に配慮したバランス食の啓発や学校、事業所、食品関連業者等と連携し、食に関する情報発信や環境整備の取り組みが必要であること。健康経営の推進には、健康経営に取り組む事業所の増加や、レベルアップ支援のため、新潟県、保険者(協会けんぽなど)、産業保健総合支援センター、労働局、包括連携協定事業所などとの連携が必要であるとのことでした。
(3)視察から得られた考察
特に注目したのが、働き盛り世代の健康度の向上を目指し、企業と一体で進められていることでした。働く世代の運動習慣の定着を進める上で、職場でチームを組み、4週間「ウオーキングチャレンジ」を実施し、令和6年度は135事業所、3,296人が参加。
また、健康経営に取り組む事業所を「新潟市健康経営認定事業所」として認定し、その取り組みを支援しています。健康経営の取り組みの実施状況を「経営者の理解と関与」、「健康経営の推進」、「取り組みの評価」の観点から評価し、3つの区分で、初級の「ブロンズクラス」、中級の「シルバークラス」、上級の「ゴールドクラス」に認定しています。
認定のメリットとして、@新潟市健康経営認定ロゴマークをホームページや広報、名刺などで使用できる。A認定事業所の中から特に優秀な事業所を表彰。Bハローワーク等の求人情報に認定事業所である旨を掲載できる。C新潟市建設工事入札参加資格審査申請の格付において、総合評点の主観点加点の対象となる。D体組成計等の健康関連機器の貸し出しを利用できる。などを実施している点は、春日部市においても非常に参考となる取り組みであると考察します。

視察の様子