各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 日本維新の会
- 視察先
- 北海道 函館市
- 視察案件
- 動物愛護管理センターについて
(仮称)函館市デジタル変革推進ビジョンについて
- 実施日
- 令和6年7月11日
- 参加者氏名
- 平沢 一博
視察結果概要
(1)視察先の概要
北海道の南西部渡島半島の南端に位置し、1859年に横浜・長崎とともに日本最初の国際貿易港として開かれて以来、早くから海外との交流が始まり、近代日本の幕開けの中でいち早く外国文化に触れ、市民の中にも新進的な国際感覚が息づく、長い歴史と文化を有する街です。函館港によって北海道と本州を結ぶ交通結節点、道南地域の中心都市として発展し、札幌市・旭川市に次ぐ北海道第3位の人口を有する中核市となっております。
人口/23万8,213人(令和6年4月1日現在)
面積/677.87㎢
(2)視察内容
○動物愛護管理センターについて
函館市は北海道と共同運用する動物愛護管理センターについて、旧万年橋幼稚園を改修し、令和6年11月に開設予定とのことで現在準備を進めております。施設運用は北海道が選定した事業者に函館市が業務委託し、統括責任者1人、常勤職員1人、非常勤職員1人の体制で業務にあたる予定とのことです。保健所で引き取った犬や猫を最大50匹程度保護することができ、新しい飼い主を探す譲渡会も実施し、また、飼養に適した環境を整え、温度管理ができる空調設備を設けるほか、中庭を運動用に活用する予定とのことで改修工事費約1億円、その費用については、函館市が負担するとのことです。
今後についても動物愛護管理センターの効果的・効率的な運用方法について、北海道、獣医師会、動物愛護団体等と連携を図りながら協議していくとのことでした。
本市においても、今後、動物愛護管理センターを設置する場合どのような準備が必要なのかという視点から視察をさせて頂きました。
○(仮称)函館市デジタル変革推進ビジョンについて
近年、新たな技術の発達により、幅広い分野においてデジタル技術が身近なものとなり、人々の働き方などライフスタイルを含め、社会のあり方そのものが大きく変化しつつあります。そのような中、人口減少・少子高齢化・産業の空洞化等様々な問題に直面する中で、デジタル技術やデータの活用によって地域課題の解決や新たな価値の創出につなげ、誰もが便利で快適な住みやすいまちを実現するために、(仮称)函館市デジタル変革推進ビジョンが策定されました。
デジタル技術やデータの活用×市民活動・経済活動=便利で快適な住みやすいまち(市民の幸福の向上)を掲げており、その中心的取り組みである@デジタル推進人材の育成Aデジタルデバイド(情報格差)対策B官民協働の仕組みづくりや推進体制等を学ぶことで、本市におけるDX化推進にどういったことが転用可能かという視点から視察をさせて頂きました。
(3)視察から得られた考察
○動物愛護管理センターについて
動物愛護管理センターについては、既存の旧幼稚園改修という形を取ることで、費用面をかなり抑えることが出来たとのことでした。札幌市のあいまるさっぽろについては、建物だけで8億円以上掛かっていたのに対し、函館市の場合は約1億円とのことで単純な比較は出来ませんが、約1/8に費用を抑えることが出来たのは非常に本市においても参考になる事例だと思います。今回の動物愛護管理センター以外にも適応できるかと思いました。また、新規開設することで、センターの前に捨て猫や捨て犬が急増したという札幌市の事例を踏まえ、市民向けに開設前に飼育に関しての教育を予防策として実施する等、準備面での対応も大変参考になりました。
今後、本市では高齢者の人口が増加の一途をたどる中で、飼い主である高齢者が亡くなりペットが残されることは、十分に予想されます。その結果、多頭飼育の崩壊、野良猫問題、近隣トラブルの原因、結果としての動物虐待になりかねません。高齢者とペットが共に安心して暮らすことのできる環境整備、住民の意識の向上を図る取り組みは、春日部市にとっても重要な課題だと思います。札幌市・函館市で学んだことを本市でもぜひ模倣できるところはしっかりと模倣し、動物愛護活動に取り組んでいきたいと強く思いました。
○(仮称)函館市デジタル変革推進ビジョンについて
国はDX化を推進しており、本市としても待ったなしの状況となっております。正直、今まで慣れ親しんだ業務やそのやり方から新しくデジタル化を進めることに、後ろ向きに考えてしまう職員も少なからずいると思います。しかし高齢化や人口減少等の状況からもDX化は避けては通れない事業です。それに向け本市においても、DX化に本気で取り組んで行くためには、市民や職員に進むべき道筋・それを実現することでどういうメリットがあるのかをしっかりと示す必要が有ると感じました。
そしてDX化を推進するための取り組み(スマホ教室やスマホ相談窓口などの情報端末操作支援や利用しやすさに配慮したシステム導入・情報セキュリティ対策・官民協働の仕組み作り・交流の場づくり等)を本市でも、もっと市主導で積極的に取り組んで行くべきだと強く感じました。そして何よりも大切なことは、デジタル推進人材の育成だと思います。市職員への研修を実施し、先頭に立って推進していける人材育成を育てることがDX化への近道であると感じました。
既に本市でも実施している部分もありますが、それも含めて模倣できるところはしっかりと模倣し、本市のDX化を更に前に進めていきたいと思います。

視察の様子