各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 公明党
- 視察先
- 石川県 かほく市
- 視察案件
- 公立保育施設の紙おむつのサブスク「手ぶら登園」について
- 実施日
- 令和6年7月3日
- 参加者氏名
- 鈴木 一利、栗原 信司、荒木 洋美、木村 圭一、藤原 智子、中村 貴彰
視察結果概要
(1)視察先の概要
石川県かほく市は石川県のほぼ中央に位置をして、県都金沢市の約20〜25q圏内と通勤通学圏内にあります。西に風光明媚な日本海を望み、北部では大海川が日本海に、南部では宇ノ気川が河北潟に注いでいるようにとても緑豊かな自然環境を有しています。
人口は令和6年5月末現在36,025人でありますが近年ターゲットを若者や子育て世代に絞った、定住人口増加プロジェクトを展開し、平成26年度の34,946人から増加傾向となっています。これは定住促進・子育て支援事業の取り組みを強化し、子育て施策を「住んで(て)よかった みんなとつながる 自分にあった子育てを見つけるまち かほく」とのスローガンのもと、地域における子育て支援の充実、親とこどもの健康確保、こどもの心身の健やかな成長を支える環境の整備、など6つの基本目標を定め、ライフステージに合わせた支援策を講じてきた結果であります。ただし、1世帯当たりの人口では減少しており、核家族化の進行がうかがえ、老年人口比率や年少人口比率の推移を見ますと、少子高齢化の進行が見受けられます。
(2)視察内容
近年、子育て世帯の人口増加が見受けられる石川県かほく市では、施設の整備から家庭への補助まで様々な支援を行っています。その中の一つであります公立保育施設での「手ぶら登園」を含む、おむつのサブスクリプションサービス。おむつのサブスクリプションサービスとは、毎日の登園時にこどもが使用しますおむつに名前を書き保育園に持っていくのは大変だと感じている保護者がいます。そこで月額定額料金を支払うだけで、おむつ・おしりふきが直接保育施設に届く、サブスク型のおむつお届け定額サービスのことを、おむつのサブスクリプションサービスと言います。かほく市では2022年4月から2ヶ月間の実証実験後に全公立保育施設に本格導入されています。このおむつのサブスクリプションの仕組み及び導入効果について視察に伺ってまいりました。
(3)視察から得られた考察
かほく市での導入の背景としまして、保護者の通園に関する利便性の向上(保育の質の向上)を目的に、保育の業務支援サービスであります、こども園登降サービス(コドモン)いわゆるこどもの出欠等のオンライン連絡の導入がありました。このこども園登降サービスの付帯サービスであります、@お昼寝ベッド(コット)の導入とA紙おむつ定額サービス(おむつのサブスクリプションサービス)を導入させています。紙おむつの定額サービスについては、保護者とおむつ会社での直接契約となっていまして、市は利用機会の提供のみとなっています。こども園に通園をさせている保護者(こども)にとりましては、毎日のおむつの準備や持ち運びの手間がはぶけ、負担軽減、通園での利便性向上となっています。またおむつのサブスクリプションサービスについての利用が希望者のみとなっているところも大いに参考になりました。希望者のみの導入になっている理由としまして、かほく市の特性として通園に車の利用が多く、おむつの持ち運びに抵抗をあまり感じないことや、利用するおむつの種類の限定による抵抗感もあること、そしてどうしても価格の割高感を感じる保護者もいらっしゃるとのことで希望者のみの利用となっているそうです。また、かほく市ではあくまでも利用者の増にはこだわってはおらず、おむつのサブスクリプションサービスを子育てサービスの一環としての活用をされているとの話しにつきましても、春日部市でも同じような考え方はできないものかと考察します。また、保育現場の負担増になるのではとの意見に対しまして、実際に導入後では思っていたほどの負担はなかったとの声があったそうですし、それ以上に毎月定額でおむつやおしりふきが使い放題なので、少しおむつが汚れてしまった場合にも交換ができるということはこどもにとって良いことではないかとの意見もでたそうです。春日部市におきましてもこのようなかほく市の考え方も含めましたおむつのサブスクリプションサービスの導入によって、保護者負担の軽減、保育士の負担軽減をあくまでも柔軟に利用できるような事業展開にしていきたいと感じる視察でした。

視察の様子