各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 次世代 かすかべ!
- 視察先
- 北海道長万部町
- 視察案件
- 東京理科大学と連携したまちづくりの取り組みについて
- 実施日
- 令和6年7月10日
- 参加者氏名
- 小久保 博史、河井 美久、吉田 稔
伊藤 一洋、阿部 雅一、奥沢 裕介
視察結果概要
(1)視察先の概要
長万部町は渡島半島内湾の最深部に位置し、東は内浦湾に臨み、北は長万部川をさかのぼって、島牧村、黒松内町に接し、西は今金町に南は八雲町に接しています。地形はおおむね丘陵が起伏し、大部分が山地によって占められ、平地は内浦湾に沿って帯状に分布し、長万部川、紋別川、国縫川沿いに平坦で肥沃な農耕地を有しています。また、湾岸のほとんどは砂浜です。長万部町内にはJR北海道の函館本線、室蘭本線が分岐し、町内に5つの駅があります。国道は5号線、37号線、230号線の3本の主要幹線道路が集中し、平成9年には高速自動車道長万部インターチェンジ、平成13年には国縫インターチェンジが開通しています。北海道新幹線長万部駅開業や地域高規格幹線道路の実現によって、北海道の交通の重要拠点としての役割が一層高まっています。
(2)視察内容
長万部町に商品を納入していた消臭剤メーカー無臭元工業社長の田崎氏が東京理科大学の理事でもあり、当時の大学側との様々な協議を重ね、昭和60年3月に東京理科大学が目指す「自然を尊重する豊かな人間性と国際感覚を身につけた21世紀を担う技術者の要請」に最適地として、新たなキャンパスの設置場所に決定、昭和62年4月に基礎工学部3学科、計240名が入校したのが始まり。
開校以来、学生は教育と文化の振興やスポーツを通じて町民との交流を図っている。また、町内各種行事のボランティアとして積極的に参加している。毎年学生が地域に溶け込んでおり、過疎化が進行している街の活性化に寄与しています。
平成27年9月には「長万部町と東京理科大学との地方創生に係る包括的連携協定」を締結、双方の密接、協力により地域の課題解決、まちの活性化に寄与することを目的として、国の地方創生交付金を活用、以後5年間に渡り、東京理科大学事業会社を事業主体とした「再生可能エネルギーを活用した先進的アグリビジネスプロジェクト事業」を実施。現在では長万部町の新たな特産品として定着しつつある高糖度トマト「ENNRICH MINI TOMATO」が誕生しました。
また、長万部キャンパンスの特徴的な事案として、平成28年より当町の特産品である「毛ガニ」について、世界的にも貴重な養殖研究が行われており、年々漁獲量が減少している「毛ガニ」の完全養殖を目指すべく現在も続いています。キャンパス設置の直接的な効果としては、学生及び教員その家族の人口増や大学関連の雇用創出が考えられます。
(3)視察から得られた考察
本市も長万部町同様に市内に共栄大学があり、平成19年5月24日に包括的連携協定の調印式が行われました。連携を図る項目としては、1.地域の活性化に関すること。2.安心安全なまちづくりに関すること。3.環境の推進に関すること。4.生涯学習の推進に関すること。5.健康増進に関すること。6.福祉の向上に関すること。7.ITの推進に関すること。8.教育の推進に関することを合意しましたが、現状では長万部町の様な効果があまり見られないの現状です。まずは市と大学が積極的な交流を図り、祭り、行事のボランティア活動、スポーツ交流、学生への資金的援助や部活動の支援等を行い、若い力で本市を盛り上げて行く事が良い施策と考えます。

視察の様子