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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
次世代 かすかべ!
視察先
北海道札幌市
視察案件
札幌市動物愛護管理センターについて
実施日
令和6年7月9日
参加者氏名
小久保 博史、河井 美久、吉田 稔
伊藤 一洋、阿部 雅一、奥沢 裕介

視察結果概要

視察結果概要
(1)視察先の概要
面積 1,121.26㎢(市街化区域 250.34㎢、市街化調整区域 325.50㎢、都市計画区域外 545.42㎢)
総人口 1,965,305人 、世帯数 997,411世帯(令和6年4月1日現在)
隣接自治体 江別市、北広島市、石狩市、恵庭市、千歳市、石狩郡当別町
市の木 ライラック、 市の花 スズラン、 市の鳥 カッコウ

 日本最北の政令指定都市であり、地下鉄が通る日本最北の市でもある。10の行政区が置かれており、全国の市の中で、横浜市・大阪市・名古屋市に次ぐ4番目の人口を有し、北海道全体の人口の約4割弱を占めている大都市。道内各市町村からの転出者の受け入れによって人口が急増し、1970年に日本で8番目となる100万人都市となる。
 また、周辺町村を編入・合併して拡大していき、かつて農村であった地域はベッドタウンとして住宅地化していった。
 地方中枢都市として、全国規模の大企業の北海道支社・支店も多数立地する支店経済都市であり、すすきのは、新宿の歌舞伎町、博多の中洲と並び、「日本三大歓楽街」として全国的に有名。
 大通公園が街の中心部、東西方向に広がり、大通公園の北側は北海道庁舎や札幌市役所、札幌駅、北海道大学などの公的機関が所在する官公庁街とオフィス街で、大通公園の南側はすすきのを中心とした大規模な歓楽街・繁華街が広がる。
 1972年、アジア初の冬季オリンピック「札幌オリンピック」が開催され、その後も国際スキー連盟の各種国際大会やアジア冬季競技大会、国際大学スポーツ連盟主催の冬季ユニバーシアード競技大会、FIFAワールドカップ、FIBAバスケットボール・ワールドカップ、世界ラリー選手権、ラグビーワールドカップなど数多くの国際大会が開催されている。
 札幌市としても各種イベントや展示会、企業の会議や報奨旅行などの誘致・開催 (MICE) 等、積極的に取り組んでおり、「国際会議観光都市」として認定されている。冬季のさっぽろ雪まつりをはじめとした数々のイベントに、毎年1,300万人前後の観光客が訪れる観光都市となっており、市町村の魅力度ランキング調査でも毎年上位にランクインしている。
 2013年、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)により創設された創造都市ネットワークの「メディアアーツ都市」分野に世界で2都市目、アジア初として認定された。
 市名の由来は、かつての豊平川が乾季に極端に水量が少なくなる川だった、あるいは一帯が乾燥した広大な土地だったため、アイヌ語の乾いた大きい川を意味する、「サッ・ポロ・ペッ」(sat-poro-pet)とする説や、葦原が広大な川を意味する「サリ・ポロ・ペッ」(sari-poro-pet、)であるとする説がある。
 いずれにしても、札幌はアイヌ語由来の地名であるが、それが確認された文献資料で最古のものはシャクシャインの戦いにおける津軽藩士の報告書に、石狩河口から3里遡った集落が「さつほろ」と表記されている。

(2)視察内容
1.本事業に至る背景
 平成25年、国の「動物の愛護及び管理に関する法律」の制定を受けて、地方自治体による動物愛護に関わる取り組みの強化が求められ、翌年の平成26年には札幌市動物愛護管理のあり方検討委員会が設置された。
 そして、平成27年「札幌市動物愛護管理基本構想」が策定された同年、認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会代表理事より、「様々な年代の人が利用できる市民の交流の場」、「動物の愛護や福祉を通じてこどもたちに“命の教育”ができる施設」として、札幌市動物愛護センター新設に関する60,591筆の陳情が提出され全会一致で採択、平成28年に「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例」が制定された。
 平成30年に策定された「札幌市動物愛護管理推進計画」に、当該施設(仮称)動物愛護センターを整備する計画が明記された。
2.整備の経緯
 令和元年度 整備基礎調査
 令和2年度 基本設計
 令和3年度 実施設計、地質調査
 令和4年度 着工
 令和5年9月29日竣工
 令和5年10月3日、市長記者会見にて、名称「動物愛護管理センター」、愛称「あいまる さっぽろ」が公表された。愛称「あいまる さっぽろ」は、471作品の公募から、札幌市動物愛護管理推進協議会で決定された。令和5年11月11日、オープニングセレモニー、13日共用開始。

3.施設概要
  親しみやすくぬくもりのある施設をイメージして、北海道産の材木を使用した木造2階建て。猫の遊び場、トリミングルーム、屋内外の運動場、隔離室、検疫室、処置室、レントゲン室等の「@収容犬猫の健康維持管理と譲渡促進」と、100名収容の多目的ホール及び個別相談室では、犬猫の初心者講習会、ステップアップセミナー、災害対策講習会、町会等を対象とした飼い主のいない猫セミナー、幼稚園・保育園児を対象とした動物愛護教室、愛犬と一緒の散歩講座等の「A市民の学習・交流の拠点となる普及啓発」の2点を主眼にした様々な機能を備えている。
 その他特筆すべき点として、建物で消費されるエネルギーを50%削減し、地球温暖化対策に配慮した省エネルギー施設として、ZEB Readyの認証を受け、建設の際は国費から二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金が支給された。

4.実績と今後の展望・課題
 道庁HPより閲覧できる北海道動物愛護センターのHP、X(旧Twitter)との相互リンクなど、インターネット、ポスター、パンフレット等の広報資源の活用と共にYouTubeを積極的に活用した結果、多くの見学者が来所し、POP掲出や譲渡対象動物の紹介等の常設的な教育普及事業や、犬猫の適正飼育、ペットの災害対策についてのセミナー、動物愛護推進員研修会、ボランティアの活動発表会や交流会を通して、動物愛護推進員とボランティアの横のつながりや連携が強化された。
 今後の展望として獣医師会や北海道大学獣医学部との連携を強化し、当センター職員(獣医師)の獣医療技術の向上と、動物愛護団体との合同譲渡会の定例化など、当センターの更なる充実を図っていく。
 課題として、多頭飼育崩壊による猫の引き取りが増加していることから、社会福祉部門と連携し深刻化する前に発見できる体制を整え、多頭飼育の未然防止、予防の啓発を強化させる。

(3)視察から得られた考察
 動物の愛護管理に関する条例については、多くの政令指定都市で制定されているが、札幌市においても政令指定都市としての役割を十分に認識し発揮されているすばらしい内容であった。その点で春日部市との大きな違いはあるものの、飼い主のいない野良猫の問題及び多頭飼育崩壊の原因については、札幌市と共通しており、春日部市においても身近な地域の問題として、政令指定都市でないことを理由に埼玉県に任せきりにするのではなく、積極的に自分の地域の問題と認識し解決に向けて取り組むべき課題であると考える。
春日部市にも複数の動物愛護推進員や動物愛護団体、個人のボランティアが存在するので、連携の橋渡しとなるようなシステムを構築することから、行政の役割を果たすべきと考える。

視察の様子
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