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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
自民・無所属の会
視察先
北海道利尻富士町
視察案件
利尻クエスト2022について
実施日
令和6年6月26日
参加者氏名
山崎   進、鬼丸 裕史、金子  進、石川 友和、
山口 剛一、永田 飛鳳、会田 吉幸

視察結果概要

(1)視察先の概要
 利尻富士町は、面積105.62㎢で利尻島の58%を占め、海岸線の延長は40kmであり、町内の集落は、鴛泊・鬼脇を中心として大小21に散在しています。
 鴛泊・鬼脇の市街地を除いて街場と称されるものがなく、近年は市街地に著しく人口が集中する傾向が顕著に現れております。
 人口は、令和6年4月末現在で2,163人、世帯数は1,195世帯となっており、昭和30年の11,234人をピークとしてその後減少を続け、78%の減少となり、その減少の激しさが顕著です。人口動態では若年層の減少が続く中で、高齢化率は40%を超え、離島特有の社会構造となっております。
 基幹産業は水産業であり、ウニ・コンブ等が主体の根付・沿岸漁業とホッケ・カレイ・タコ・ナマコを主とする漁船漁業が営まれておりますが、その生産量は水温や気象状況など自然環境に大きく左右されます。

(2)視察内容
 利尻クエスト2022について、事業概要や取り組みを始めた背景、また予算の程度や実績と効果、スタンプラリー各所のポイントの選定理由やその手法等を調査目的としています。

(3)視察から得られた考察
 昨今の旅行形態は個人化、小グループ化の傾向が強まっており、フリープランの来島者が増加傾向にあるようです。今後の旅行形態もコロナ禍で従来の観光地を巡る団体ツアーに代わり、趣味嗜好にあった島時間を楽しむ旅行者が増加してくると考えられるため、国内旅行者向けに着地型観光を強く意識したアプリ版のスタンプラリー事業を行うことで、利尻島の魅力を伝えるとともに、島内での宿泊・飲食商店等の利用促進を図り島内における消費拡大につなげる目的で開始された事業でした。
 事業実施主体は利尻富士町及び利尻町の利尻島観光推進協議会であり、事業費は企画運営業務委託料が2,419,175円 (利尻富士町 1,209,587円、利尻町 1,209,588円) 、獲得ポイントに対する景品代が425,129円(利尻富士町 168,410円、 利尻町 256,719円) であり、財源は国からの特定有人国境離島地域社会維持推進交付金 1,330 千円 (利尻富士町 665千円 利尻町 665 千円)と自主財源により行われておりました。
 このスタンプラリーは現在200カ所ほどあり、各箇所で獲得できるポイントが違います。島内の行って欲しいところやお土産屋、また容易に到達しづらい所などはポイントが高く設定されており、そのポイントには二次元コードがあり、スマートフォンの専用アプリにて読み込みポイントを獲得します。そして獲得したポイント数により応募できる景品が違います。
 スタンプラリーの場所を決めたのは利尻島観光推進協議会の職員の方々で、コンサルティング会社などは入っていないとのことでした。
 よくあるスタンプラリーのように、紙にスタンプを押すものではなく、専用アプリで行うことにより、事後にどの場所に観光客はよく行くのか、行ってみたいと思ったのかの統計データ収集が容易となり、例えば、実際に、スタンプ数の上位20位の位置図からも、偏在することなく利尻島全体を周遊しており、利尻クエストへの参加により、 充実した滞在時間を過ごすことができたものとの分析結果が得られる一方、応募者アンケートの結果から、 「初めての来島」と回答した方が71.5%となっており、一部のハードリピーターを除き、一般旅行者のリピーターの獲得は利尻島にとって課題となっている、ということまで情報収集できます。
 「利尻クエスト」への参加により、充実した滞在時間を過ごしてもらえることで、リピーター獲得と、来島の際の滞在時間・日数の長期化へ結び付けることが可能であり、地域の観光スポットの整備や民間の宿泊施設や飲食店、小売店との連携などの充実を図り、次年度以降も継続して実施していくことが重要であると考えているとのことでした。
 春日部市においても市内を周遊していただく方法として利尻クエストのようにスマートフォンアプリを使うことにより、後のデータ収集・分析をしっかりと行い、観光客に満足していただくとともに、更に呼び込む手段としてこのような手法は非常に有効なものであると考察いたします。

視察の様子
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