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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
自民・無所属の会
視察先
青森県 むつ市
視察案件
おおみなと臨海公園のPark-PFIについて
実施日
令和5年10月11日
参加者氏名
山崎 進、鬼丸 裕史、金子 進、
水沼 日出夫、石川 友和、会田 吉幸

視察結果概要

(1)視察先の概要
 むつ市は、本州最北端、青森県北東部の下北半島に35km、東西約55kmにわたっており、東に東通村、南に横浜町、北西に大間町、風間浦村、佐井村の2町3村に接しています。 三方を海に面しており、北は津軽海峡を隔てて北海道を望み、西に平舘海峡、南には陸奥湾を抱いています。
 面積は、青森県全体の約9%にあたる約864kuと青森県内では最大となります。恐山山系の外輪山を形成する釜臥山を中心とし、東部は平野など比較的なだらかな地形が広がり、北部・西部は自然に溢れ、緑豊かな山地や台地が海岸近くまで迫る山岳地形となっています。2023年9月1日におけるむつ市の総人口は50,965人です。
 気候は、四季がはっきりとしており、夏季は短く温暖で湿度が低いことから比較的過ごしやすくなっていますが、冬季は降雪期間が長く最大積雪が山間部で1m以上、平野部や海岸部では約70cmに達するなど、厳しい気象条件となります。一方、むつ市は広範にわたる地域が下北半島国定公園に指定されており、「恐山」、「川内川渓流」などの景勝地や、「湯野川」、「薬研」 などの温泉が点在するほか、「陸奥湾のホタテ」、「津軽海峡のイカ」などの海の食材が豊富にあるなど、豊かな自然の恵みを受けた地域となっています。

(2)視察内容
 むつ市における、おおみなと臨海公園のPark-PFIについて、公園整備の経緯及び導入のきっかけ、財源、整備前・整備後の市民の反応、公園整備の際、参考にした事例や公園、整備した公園に対する将来像や期待、Park-PFIに対する今後の予定を調査目的としています。

(3)視察から得られた考察
 Park-PFIとは、都市公園法の改正により新しく創設された公募設置管理制度のことをいいます。この制度は、むつ市(公園管理者)が設置する都市公園内で飲食店、売店等の公園施設(公募対象公園施設)と広場や遊具等(特定公園施設)の設置・管理を行う民間事業者を公募により選定することで、都市公園の利便、魅力の向上を図ることができる制度です。
 むつ市において、2018年4月1日に策定・公表された、むつ市みどりの基本計画に基づき、居住誘導区域を緑化重点地区に指定し、限られた資源の集中的・効率的な利用で持続可能な都市・社会を実現していく、いわゆるコンパクトシティ構想であり、新しい住居地域を現在の居住地域より外に広げることによる弊害(スプロール化)を防ぎ、人口密度を維持し、公共投資、行政サービスの効率化や維持管理の合理化を図る中で、民間活力を生かしたまちづくりの一環としてPark-PFIを活用した公園整備が行われることとなりました。
 公園利用者のメリットとして、飲食施設などの公園施設のサービスレベルの充実、老朽化や質が低下した施設の更新、利便性、快適性、安全性の向上 などがあります。
 また、民間事業者のメリットとして、都市公園の中に収益施設を設置できる、自らが設置する収益施設と合った広場等を一体的にデザイン・整備することで、収益の向上にもつながる質の高い空間を創出できる、都市公園事業に参画できるなどがあります。
 公園管理者(行政)のメリットとしては、民間資金を活用することで、公園整備・管理にかかる財政負担の軽減につながる、民間の創意工夫を取り入れることで、公園のサービスレベルの向上につながります。
 通常の公園の建ぺい率は2%ですが、このPark-PFIという方式を採用することにより、建ぺい率は10%上乗せの12%まで可能となります。むつ市においては、おおみなと臨海公園Park-PFIにおいて、国の社会資本整備交付金47億円を活用すると同時に、総合アリーナの一部にPark-PFIを導入したとのことでした。またおおみなと臨海公園以外にも市街地にある代官山公園Park-PFIを行っており、1坪年間350円で民間事業者に賃貸し、年間15万円程の維持管理費がかかっていたものが、逆に民間事業者から年間25万円程が市に入ってくるようになったとのことです。
 民間事業者が飲食施設やグランピングなど、いろいろなイベントを行うことにより、より活気のある公園となり、市内だけではなく市外からも人が集まってくる公園となったようです。
 春日部市においては、現在の庁舎跡地を公園として整備する計画があります。また、庁舎跡地だけでなく、既存の内牧公園や庄和総合公園など比較的大きな公園もあります。このような公園をむつ市の「代官山公園」のようにグランピングや飲食店を導入した整備を行うことで、より活気のある公園ができるのではないかと感じました。
 財政支出を抑えながら魅力ある公園にしていくために、このPark-PFI事業は非常に有効な手段であると考察いたします。

視察の様子
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