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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
議会運営委員会
視察先
岡山県 倉敷市
視察案件
政治倫理条例について
実施日
令和5年10月31日
参加者氏名
石川 友和、山崎 進、木村 圭一、
栗原 信司、荒木 洋美、吉田 稔

視察結果概要

(1)視察先の概要
 倉敷市は、岡山県の南中央部に位置する、人口476,710人(令和5年4月1日現在)、面積355.63㎢の中核市です。江戸時代には商人の町、明治時代には繊維産業の町、近年は工業都市、そして文化観光都市として発展してきました。瀬戸内の穏やかな気候と高梁川がもたらした豊かな大地に恵まれ、農業や漁業も盛んです。
 白壁の建物や柳並木が美しい倉敷美観地区のある「倉敷エリア」をはじめ、日本有数の工業地帯である「水島エリア」、瀬戸内海国立公園の美しい風景が広がる「児島エリア」、港町として栄えたノスタルジックな町並みを残す「玉島エリア」、マスカットやスイートピーの一大産地である「船穂エリア」、静かで美しい竹林の町「真備エリア」など、地域によって異なる雰囲気を持っています。
 また、山陽新幹線、山陽本線、山陽自動車道、国道2号が東西に横断し、山陰地方を結ぶ伯備線、四国を結ぶ瀬戸大橋(瀬戸大橋線・瀬戸中央自動車道)も市内を経由しており、交通・物流の結節点としての重要な地位を占めています。

(2)視察内容
○条例制定に至った経緯
 条例制定前は、平成9年9月に採択された「政治倫理確立に関する決議」に基づき、議会活動・議員活動を行ってきました。
 令和2年度実施の市議会議員選挙で、公職選挙法違反の疑いが新聞報道されましたが、司法では立件されず、市議会として辞職勧告を行いましたが、議員辞職には至りませんでした。そのため、議会運営委員会委員と正副議長の14人の議員を委員とする「政治倫理調査会」を令和3年8月に組織し、令和3年9月定例会最終日に、再発防止策として、規範性を一段と高めるため、政治倫理条例の制定に向けて検討することを提言する調査結果報告書が提出されました。
 条例の制定に当たっては、各会派より1人の議員を検討委員として選出したワーキンググループ「以下「検討WG」という。」(7会派・7人)を組織し、令和3年11月定例会中に初回協議を開始しました。検討WGは、1年間で12回開催し、令和4年12月定例会に議員発議で条例を提出し、12月22日に議決、26日に公布し、令和5年1月1日から施行されました。
○条例の概要
 条例では前文を設けており、議会制民主主義に基づいた政治倫理を確立し、市民の信託に応えて、信頼される市政を推進していくため、遵守しなければならない2つの事項を定めています。1つ目は、いささかも政治不信を招くような言動は厳しく自戒し、政治倫理を基調とした信頼される政治活動を行うこと。2つ目は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合は、自ら真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにすることです。
 第1条は目的、第2条は議員の責務、第3条では、政治倫理の基準として「してはいけないこと」を列記しています。第4条は審査の請求、第5条は委員会の設置等、第6条は委員会の職務、第7条は審査対象議員の協力義務、第8条は議会の措置、第9条は委任を定めています。
○条例制定の効果(期待する効果)
 条例の制定及び制定に向けての協議により、議員の意識改革を図ることができ、また議員の意識統一を図ることができました。
 なお、令和5年8月に議員が逮捕される事案が発生しましたが、不祥事が発生した後、すぐに手続きの流れを確認することができました。

(3)視察から得られた考察
 中核市においては議員のみの政治倫理条例が多いようですが、政治倫理条例においては、その都市の地域性や問題点が大きくかかわってくる条例だと感じました。
 春日部市議会においても、他市の事例を参考にしつつも、春日部市の実態を、まずはしっかりと把握した上で、そのような動きが出た場合には条例制定が必要だと感じる視察でした。

視察の様子
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