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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
議会運営委員会
視察先
島根県 出雲市
視察案件
タブレット導入及びペーパーレスについて
実施日
令和5年10月30日
参加者氏名
石川 友和、山崎 進、木村 圭一、栗原 信司、
荒木 洋美、吉田 稔

視察結果概要

(1)視察先の概要
 出雲市は、平成17年3月22日に、旧出雲市、平田市、大社町、湖陵町、多伎町、佐田町の2市4町が新設合併し誕生しました。さらに平成23年10月1日に斐川町を編入しています。島根県の東部に位置し、北部は島根半島、中央部は出雲平野、南部は中国山地で構成されています。面積は624.32㎢、人口は173,136人(令和5年4月1日現在)です。 「神話の國 出雲」として全国に知られるとともに、出雲大社などの歴史・文化遺産と、日本海、宍道湖などの豊かな自然に恵まれた地域です。
 また、豊かな出雲平野が広がる農業生産力の高い地域であり、日本海沿いには多くの漁港も有しています。工業は山陰有数の拠点であり、商業集積も進み、各産業が調和した地域です。同時に、出雲空港、河下港、山陰自動車道と環日本海交流の機能も担える交通拠点でもあります。

(2)視察内容
○タブレット端末の導入
 導入の経緯は、平成25年9月、ICT活用調査研究会において、議案書や全員協議会資料の閲覧にタブレット端末を使用することについて協議を開始しました。平成26年3月定例会では、一部の議員がタブレット端末使用の試験導入を要望し、議運に諮った上で試験導入を容認しました。その後、6月定例会、9月定例会で実証実験を行い、平成26年12月定例会からタブレット端末を本格導入しました。なお、執行部では、平成27年6月定例会から本格導入しています。
 タブレット端末導入の目的は、「議員の利便性の向上と、それによる審議の深化」であり、同時にクラウド文書共有システム「SideBooks」を導入したことにより、議会資料の持ち運びが簡単になり、議会資料をスピーディーに検索でき、議会資料の保存スペースが不要になりました。また、タブレット端末は、議案書等議会資料の閲覧、インターネットの閲覧、議会事務局との連絡メールの送受信等に活用しています。
 導入に当たっては、外部(業者)による研修会を4回、議員を講師とした研修会を4回の計8回、研修会を開催しました。
 出雲市議会の特徴は、「貸与端末(全額公費で購入、Wi-Fiモデル)」と「個人所有端末」の併用であることです。平成26年3月の試験導入時では、個人所有のタブレット端末使用が5人のみでしたが、令和5年9月では、議員数29人のうち、個人所有端末使用が26人、貸与端末使用が2人、使用しないが1人となっています。なお、個人所有端末は、iPad、Android、Windowsが混在しており、貸与端末はAndroidです。
 経費は、導入時は約120万円で、タブレット端末10台の購入や無線アクセスポイントの設置、SideBooks使用料などでした。ランニングコストは、令和5年度の当初予算では112万2千円であり、SideBooks使用料が執行部を含む100ライセンス、オプションのクラウド10GB使用料を含めて、1か月当たり93,500円で、12か月分となっています。なお、執行部がまとめて契約し、支出しています。
 タブレット端末導入の成果・効果は、議員の利便性が向上したことによる審議の深化、紙の消費量の削減、事務の軽減、コストの削減、議員活動の活性化があります。

○議会資料のペーパーレス化
 タブレット端末の導入から当面の間は、議員個人に希望調査を実施し、タブレット端末と紙資料を併用(タブレットのみ、紙資料のみ、タブレットと紙資料の併用の3パターン)していました。徐々にタブレットに移行する議員が増加(実質的には併用)し、令和5年3月定例会からは原則として紙資料の配付を廃止しました。(ただし、タブレットを使用していない議員へは紙資料配付を残す。)なお、平成27年度では、議員数32人のうち、全て紙資料が16人、紙資料なしが4人、併用が12人でしたが、令和5年度では、議員数29人のうち、全て紙資料が2人、紙資料なしが27人、併用が0人となっています。
 ただし、人事案件議案、条例関係資料、事業別予算説明書、事業別決算説明書は、紙資料として残しています。人事案件議案は個人情報保護のためですが、その他の資料は、議案書や予算書・決算書などをタブレット端末の画面で表示し、これらの資料を同時に参照できるようにするなど、議員の利便性を考慮し、紙資料として残しています。
 ペーパーレス化の成果・効果は、紙消費量の削減、事務軽減(議案書等の印刷時間の短縮)、議案書等印刷コストの削減などがあります。

(3)視察から得られた考察
 出雲市議会では、10年近くも前からペーパーレス化に取り組まれていますが、完全ペーパーレス化にはまだ達していないということでした。そのことから、議員はもとより、執行部が慣れるまでには相当の時間と労力がかかることが分かりました。
 そのため、春日部市議会でも、新庁舎から開始ということではなく、今からでも取り組めることは取り組んで行くことが、完全ペーパーレス化に向けての第一歩と感じる視察でした。

視察の様子
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