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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
教育環境委員会
視察先
岩手県 奥州市
視察案件
6次産業化について
実施日
令和5年10月19日
参加者氏名
小久保 博史、山口 剛一、榛野 博、大野 とし子、
石川 友和、河井 美久、栗原 信司

視察結果概要

(1)視察先の概要
 奥州市は、平成18年2月20日に水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町及び衣川村の5市町村が合併し誕生しました。岩手県の内陸南部に位置し、西側を奥羽山脈、東側を北上山地に挟まれる北上盆地の南部に位置しています。面積は993.30㎢で、人口は110,877人(令和5年4月1日現在)です。
 地域の中央を北上川が流れており、北上川西岸には胆沢川によって開かれた胆沢扇状地に、水と緑に囲まれた散居のたたずまいが広がっています。北上川東岸には、北上山地につながる田園地帯が広がり、地域全体が緑あふれる豊かな自然に恵まれています。また、稲作を中心とした複合型農業により、県内屈指の農業地帯となっているほか、交通の利便性の良さを背景に、商工業の集積が進んでいます。

(2)視察内容
○計画策定の経緯
 平成27年1月に「奥州市地域6次産業化ビジョン」を策定し、平成29年3月には「第2次奥州市地域6次産業化ビジョン」を策定しましたが、その内容は奥州市の知名度を上げるためのイベント開催を重視した内容でした。次期計画策定に当たり、農林水産省が示した「6次産業化の推進体制整備事業」に沿って、計画及び推進体制の見直しを行うこととしました。令和元年12月議会において、「農業振興及び地域6次産業化の推進に関する提言書」が提出されたことを受け、「奥州市6次産業化・地産地消推進協議会」を設立し、協議を重ねながら、「農家所得の向上と農家が自ら商品開発から加工・販売に取り組むことを支援する」ことを目的に、令和3年3月に現在の「奥州市6次産業化推進計画」を策定しました。
○事業の概要
 事業の主な項目は、@6次産業化推進事業補助金、Aセミナーや個別相談による事業者への支援です。
 6次産業化推進事業補助金は、平成25年度から実施しており、これまでに24件(商品開発10件、販路開拓14件)、合計で466万6千円を交付しています。補助金を活用した新商品として、米粉麺、甘酒、生姜の粉・生姜シロップなどがあります。
 個別相談会は、平成27年度から実施しており、令和3年度までの7年間で26回開催し、73件(商品開発23件、販路開拓20件、その他30件)の相談がありました。また、セミナーは、平成29年度から実施しており、令和3年度までの5年間で14回開催し、合計で182人の参加がありました。なお、令和4年度は、セミナーと個別相談を一体的に実施しています。
○事業実施による効果
 補助金活用の成果として、補助金を利用して開発した商品を「ふるさと納税返礼品」として出品、農作物の付加価値化と規格外品の活用による廃棄物の減少、新たな販路開拓があります。また、相談会及びセミナーの参加者との連絡網を作成し活用しています。
○今後の課題など
 令和4年度に中間評価と見直しを行いましたが、農家が自ら6次産業化を行うには課題が多く、事業として成り立っている例が少ない状況です。
 また、補助金の利用件数が減少し、セミナー参加者も減少しており、同じ人が参加する状況です。

(3)視察から得られた考察
 6次産業化については、農家が自ら行うことは難しく、補助金交付や相談会・セミナー開催を実施しても、なかなかうまく推進できていないことが分かりました。
 本市においても、米粉を活用した6次産業化を進めているところですが、先進地における事例を参考に、今後の取り組みを検討していく必要があると感じました。

視察の様子
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