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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
教育環境委員会
視察先
秋田県 仙北市
視察案件
小中学校の学力向上の取り組みについて
実施日
令和5年10月17日
参加者氏名
小久保 博史、山口 剛一、榛野 博、大野 とし子、
石川 友和、河井 美久、栗原 信司

視察結果概要

(1)視察先の概要
 平成17年9月20日に田沢湖町、角館町、西木村が新設合併し、仙北市が誕生しました。仙北市は、秋田県の東部中央に位置し、岩手県と隣接している地域です。ほぼ中央に水深が日本一である田沢湖があり、東に秋田駒ヶ岳、北に八幡平、南は仙北平野へと開けています。面積1,093.56㎢のうち約8割が森林地帯で、奥羽山脈から流れる河川は、仙北地域の水源となっています。人口は23,835人(令和5年4月1日現在)です。基幹産業は、農林業、商業、工業、観光であり、産業構造は、第1次産業が12.9%、第2次産業が25.8%、第3次産業が60.6%となっています。

(2)視察内容
 令和5年4月1日現在における仙北市の学校・児童生徒数は、小学校が6校で845人、中学校が5校で507人で、児童生徒数の合計は1352人です。令和10年度には966人まで減少する見込みです。
 仙北市では、「ふるさとを愛し、豊かな心・確かな学力・健やかな体をもち、未来の地域や社会を支える意欲と高い志にあふれる仙北の子どもの育成」を学校教育目標に掲げ、「骨太の人間の育成」と「仙北市プライドの醸成」を重点目標にしています。なお、教育目標の設定に当たっては、全国学力テストで判明する学力に関する課題を背景に、「分析・改善委員会」において、年度の反省など、協議を行っています。
 また、秋田県では、「秋田の探求型授業」として、「問題を発見する」「解決方法を見通す」「問題解決を図る」「問題解決を振り返る」というPDCAサイクルを実践しており、地域に根差したキャリア教育の充実、問いを発する子どもの育成に取り組んでいます。
 児童生徒の学力向上のためには。教員の育成が大切であるため、教員の研修体系を充実させ、年度当初には全教職員を集めて研修会を行い、進むべき方向性(ベクトル)を合わせています。
仙北市の特徴としては、家庭学習(ノート学習)が挙げられます。家庭学習とは、自分が得意なこと、苦手なことを考えて、今学ぶべきことを判断して学習するもので、どうやって学べば、できるようになるかを考えて学習するものです。「宿題」ではなく、「家庭学習」であり、「学び方を学ぶ」という意味合いが強いものです。家庭学習の取り組みについては、学級担任に加えて、副担任、教科担当、部活動顧問、管理職などもコメントを記入しています。

(3)視察から得られた考察
 学力の向上については、単に全国学力テストの結果をよくするということではなく、「仙北市を背負って立つ自覚と志をもった子どもに育ってほしい」「人口の社会減を食い止めたい」「仙北市を持続可能な町としたい」「仙北市から出ても、心のどこかで仙北市のことを思う人間であってほしい」という願いを込め、取り組んでいることが理解できました。
 特に、家庭学習(ノート学習)の取り組みを、小学校低学年から継続することにより、「学ぶ」ということを身に付けることができ、学力の向上につながっていると感じました。
 また、秋田県の制度として、教育委員会に「教育専門監(仙北市では数学1人、理科1人)」が配置され、市内の学校を回ることにより、中学校において躓きやすい授業についてのフォローが充実しており、埼玉県でも同様の制度が実施できるとよいと感じました。

視察の様子
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