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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
議会運営委員会
視察先
長野県 長野市
視察案件
政治倫理条例について、市民と議会の意見交換会について
実施日
令和4年11月11日
参加者氏名
水沼 日出夫、吉田 稔、石川 友和、山崎 進、小久保 博史、荒木 洋美、栗原 信司、鬼丸 裕史、木村 圭一

視察結果概要

(1)視察先の概要
 長野市は、北アルプスに源を発する犀川の扇状地と千曲川の沖積地によって形成された肥沃な長野盆地に位置し、平安の昔から「三国一の霊場」善光寺の門前町として日本全国に親しまれてきました。
 明治30年市制施行により、県内で初めての市として長野市が誕生し、中央の出先機関や経済・文化面にわたる中心的機関が集中され、また、信越本線・篠ノ井線が開通するなど、政治、経済、文化及び交通の要衝として急速に発展しました。
 平成9年4月1日には市制施行100周年を迎え、記念事業として第18回オリンピック冬季競技大会(平成10年2月)、第7回パラリンピック冬季競技大会(平成10年3月)が開催されました。オリンピック等の開催により、長く市民の願いであった新幹線・高速道も実現し、市内の都市基盤整備も急速に進みました。また、平成11年4月1日、中核市に移行したことにより、これまで以上に、市民に身近な行政をスピーディに処理できることになりました。
 平成17年1月に豊野町、戸隠村、鬼無里村及び大岡村を、平成22年1月には信州新町、中条村を編入合併しました。明治30年市制施行当時の面積9ku、人口3万人足らずの小都市にすぎなかった長野市も、面積835ku、人口39万人弱の都市となりました。
 現在は、平成29年度を初年度とする「第五次長野市総合計画」をまちづくりの指針として定め、長野市の将来像「幸せ実感都市『ながの』〜“オールながの”で未来を創造しよう〜」の実現を目指し、真の豊かさや幸せを実感し、“活き生き”と生活できる持続可能なまちづくりに取り組んでいます。

(2)視察内容
○政治倫理条例について
 導入経緯については、議員の飲酒運転をきっかけとし、平成20年9月に議会基本条例検討特別委員会を設置し、議員の倫理規定を含む議会基本条例の検討を始めました。検討を行う中で、議会基本条例と議員政治倫理条例を別々に制定すること、先に議員政治倫理条例を制定することとなりました。その後、特別委員会で検討し、平成21年3月に条例(案)を決定し、平成21年6月定例会で条例を可決しました。
 条例の概要については、「議員の責務及び行動規範を定めることにより、民主政治の根幹をなす政治倫理の確立を期するとともに、議会の権威と名誉を守り、市民の厳粛な信託にこたえ、もって清潔で民主的な市政の発展に寄与すること」を目的とし、議員及び市民の責務、行動規範、審査の請求・政治倫理審査会の設置等を規定しています。
 条例制定の効果については、条例制定後、議員の不祥事は数件ありましたが、いずれも当該議員はすぐに辞職しているため、条例に基づく政治倫理審査会の設置等の実績はないとのことでした。なお、不祥事を起こした議員がすぐに辞職していることが条例の効果かどうかは、はっきりとは分からないとのことでした。

○市民と議会の意見交換会について
 導入経緯については、議会基本条例の検証を行う中で、市民に信頼される議会、より市民に身近な議会の実現に向け、議会での議論の経過と議決に関する説明を果たすため、議会報告会を実施することを決定しました。平成25年5月に初めての議会報告会を市役所講堂にて開催し、3月定例会の概要、常任委員会の報告、特別委員会の報告、質疑応答を行いました。平成28年5月まで、年1回、計4回開催しました。
 その後、さらに市民の意見を取り入れて開かれた議会とするため、議会報告会の開催方法等の検討を行い、平成29年度から報告会形式を意見交換会方式に大きく見直しを行い、名称を「市民と議会の意見交換会について」として開催することとしました。平成29年7月に第1回意見交換会を開催し、令和4年5月まで、年1回(令和2・3年はコロナにより中止)、市役所講堂で開催しています。なお、意見交換会は、設置されている4つの特別委員会ごとにテーマを設定して開催しており、参加市民数は1回当たり約50人とのことでした。
 課題については、意見交換会というよりは意見聴取会となってしまっているとのことでした。

(3)視察から得られた考察
 長野市議会においては、議会の更なる改革と活性化を目指す目的で、平成20年度に議会基本条例検討特別委員会が立ち上がり、約1年後に議員の倫理規定を含む「長野市議会基本条例」が可決・公布に至っています。
 その経過によれば、まず最初に議員政治倫理条例から検討し、可決した後で、議会基本条例を可決している点が出色で、この条例に対する長野市議会の本気度が、進め方に表れていると考察します。
 また、条例制定以後の活性化に関する動きの中で、平成25年度から実施されている議会報告会については、平成28年度までの報告会形式を、意見交換会形式へと大きく見直しを行い、名称も「市民と議会の意見交換会」とするなど、更なる市民の意見をくみ上げながらの議会運営であり、その開催方法等を検討している本市としても、大いに参考とすべきと考察します。

視察の様子
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