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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
前進かすかべ。未来の会
視察先
沖縄県 浦添市
視察案件
子どもの貧困対策に向けた取り組みについて
実施日
令和2年2月4日
参加者氏名
小久保 博史、岩谷 一弘、栄 寛美、海老原 光男、山口 剛一、吉田 稔、永田  飛鳳

視察結果概要

(1)視察先の概要
 浦添市は沖縄本島の南側に位置し東シナ海に面する西海岸沿いにあり、東に西原町、南に那覇市、北東に宜野湾市が隣接しています。
 人口は114,059人(平成31年3月末現在)、総面積は19.48㎢、そのうち2.68u(14%)を米軍施設(牧港補給地区キャンプ・キンザーが占めています。
 浦添の地名は、「ウラオソイ」という言葉が語源。
津々浦々をおそう、つまり諸国を支配するという意味で、これが転じて「ウラシイ」となり浦添の文字があてられました。
 浦添は古琉球時代における王都発祥の地といわれ、12世紀から14世紀にかけて三王統が君臨し、天然の良港「牧港」を拠点として海外との交易が盛んに行われ、交易を通して政治、経済、学問、芸術、文化が発達し、琉球の王都として繁栄するとともに、浦添城を中心とする「ウラオソイ文化」が築かれました。その後、王都は首里に移り浦添は地方となりました。
 明治41年に村制に移行し、純農村として目覚ましい進展を見ていたが、第二次世界大戦末期の沖縄戦では、元浦添城跡を中心に日米の激しい攻防戦が展開され、村内は一木一草に至るまで焼き尽くされ、非常に過酷な戦禍を被る地域となりました。
 戦後昭和21年に村政が再開され、戦後復興が進められていく中で米軍の第2兵站部隊が具志川村(現うるま市)から移住、それに伴う基地需要による人口集積や県都那覇市に隣接しているため、都市近郊への人口集積の形となり都市的形態を帯びてくるようになり、昭和45年7月1日市制を施行しました。

人 口  115,532人   (令和2年2月末日現在)
世帯数  51,061世帯 (令和2年2月末日現在)
面 積   19.48㎢  (令和2年2月末日現在)

(2)視察内容
 子供の貧困問題は、全国の相対的貧困率が(H27:16.3%・H30:13.9%)に対し、沖縄県は(H27:29.9%・H30:25.0%)と著しく高く、平成28年3月決定の「沖縄県子どもの貧困対策計画」を受け、同年4月、「沖縄県子供の貧困緊急対策事業」が県予算10億円をもってスタートしました。
浦添市では、@「子どもの居場所運営支援事業」、A「子供の貧困対策支援員配置事業」の2つの事業をもって子供の貧困対策に取り組んでいます。
@「子どもの居場所運営支援事業」は地域の方々に団体自治会法人等が地域の実情に応じた地域の子どもたちのための子どもの貧困対策を目的とする活動を行う上で必要な費用の一部または全部を補助する事業です 。
 活動内容としては食事の提供、共同調理、生活指導(衛生保持・整理整頓・挨拶などの生活習慣や対人関係の指導など)、学習支援、キャリア等形成支援(進学に対する意識向上や職業観の形成のための体験など)となっています。実績としては年間の延べ利用者数が平成28年度が利用者数18,424人、平成29年度が34,856人、平成30年度が34,886人となっています。
A 「子供の貧困対策支援員配置事業」は子供の貧困対策支援員(てだこ未来応
援員)を配置して学校や関係機関と連携を図りながら問題を抱えた子どもに対して必要な支援機関につなげる支援を行っています 。
 浦添市の特色としては各中学校区(5校区)に2人ずついる地域で長年の活動実績があり、地域の人、地域を熟知している社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)と各中学校区毎に配置した「てだこ未来応援員」2人+アシスタントマネージャーが連携して、スムーズに子供の現状・課題を把握し適切な支援(子供の居場所・行政・学校・教育委員会)に繋げています。
 実績としては、平成28年度が195人、平成29年度が235人、平成30年度が219人となっています。

(3)視察から得られた考察
 2つの事業を行う上で、浦添市の特色としては、小学校11校の校区毎に、児童館もしくは児童センターが存在すること。つまり細かい単位で「地域ごとに活動できる体制」があることが大前提となっていることです。
 2つの事業を春日部市で行うとしても、この地域体制がなくては同様の結果につなげることは難しいと思いました。
 長年の地域コミュニティづくりのベースがあるからこそ、地域の人々の協力を得ながら、そして子どもの貧困対策にも取り組めているということがわかりました。
支援的な施策を行う場合、細かい単位での地域コミュニティづくりが最重要であると気づかされました。

視察の様子
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