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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
新政の会
視察先
大阪府 高槻市
視察案件
「安満遺跡公園整備事業」について
実施日
令和2年2月6日
参加者氏名
滝澤 英明、金子  進、佐藤  一、水沼 日出夫、石川 友和、榛野  博

視察結果概要

(1)視察先の概要
 高槻市は、大阪府北部の北摂三島地域に位置し、「水とみどりの生活文化都市」をキャッチフレーズの中核都市になります。立地的には、大阪市と京都市のちょうど中間に位置し、二大都市のベットタウンとして発展してきています。
 令和元年12月末日現在、人口351,503人、世帯数160,870世帯、面積は105.29㎢で、市域の33.29㎢が市街化区域、残り72.02キロ㎢が市街化調整区域として開発が制限されています。
 地域的特性としては、山裾に大小500基以上の古墳を有する三島古墳群が広がり、山陽道が市内東西に走り、交通の要所として発展してきました。
 気候は瀬戸内海気候で、大きな温度差は無いですが、近年では市街地のヒートアイランド現象もあり、若干上昇傾向にあります。

(2)視察内容
1 安満遺跡公園整備事業・整備について
 平成21年9月に、京都大学大学院農学研究科付属農場の移転等に係る覚書に始まり、「子どもが主役となる拠点」となるよう、整備構想検討委員会には公園事業・歴史事事業・防災事業の専門家も交え設置し、周辺自治会や遊民説明会やアンケートなどを行い、事業の骨格を築き、事業を進めていかれたとのことです。
 該当エリアは国指定の安満遺跡のほか、農地も含まれ、また、JRと阪急電鉄に挟まれた立地で公園事業を行うにあたり、関係法令が異なっているため、事業の計画にはかなり難航する部分が多かったとのことです。
 整備検討委員会での協議を重ねていく過程で、公園の理念を「都心にある史跡安満遺跡と京大農場跡地の歴史・環境資産を活かし、豊かな市民生活の発展と新たな市民文化醸成の拠点として、高槻市のシンボルとなる市民共有の公園を市民とともに育てつづける」と位置づけたとのことです。
 施設の広さは、一次開園エリア4.1ha(全面開園エリア:21.8ha(甲子園球場5個分))に相当する広さになります。
2 市民とともに育て続ける公園について
 安満遺跡公園は完全系ではなく、進化系の公園設計を取り入れており、将来、社会情勢などからくる多様な市民要望に対応できるよう、まだすべてのエリアに施設などを整備していません。
 また、ともに創り上げる公園設計を実現させるべく、個人の集まりの「安満人倶楽部」を発足させ、自らマネジメントと活動を進め、レベルアップを図るために、平成29年4月からスタートしています。これをもとに、市民活動プロジェクトを行い、形式にこだわることなく、自由に企画を立案し、試行的に活動を展開しているとのことです。
3 公園経営の取り組みについて
 運営形態は指定管理者制度を導入し、公園経営を「公園を経営する」という姿勢を念頭に、魅力的な市民サービスや質の高い管理・運営に取り組んでいるとのことです。
稼ぐという姿勢を貫くことで、ネーミングライツや工夫を凝らした寄付への見返りや基金設置などを積極的に行っています。収益率はかなり高い実績を出されていると印象を受けました。特に、公園内に設置するベンチへの名前・メッセージ入れができる寄付事業は非常に反響が大きく、第一弾の予定が次の企画も現在進められているとのことです。また、公園内にある飲食スペースや室内遊び場などは平日でも人気のスポットになっているようです。
4 今後の課題など
 開園当初は園内でオートバイなどでの暴走行為や迷惑行為が起こりましたが、粘り強く対応し現在は、ほぼなくなってきたとのことです。
 しかし、更に安心できるよう園内には最低限の防犯カメラの設置などの防犯対策を行い、利用者の安全確保は第一であるとのことです。
 また、未整備のエリアにも施設などを広げていくようですが、陳腐化しない様に丁寧に進めていくことが課題であると位置づけられておりました。

(3)視察から得られた考察
 春日部市においても、本庁舎跡地の公園を計画、他にも市内には既に設置された公園が多々あります。市民要望を取り入れ、更に市政への過度な圧迫とならないことも視野に入れて、事業を進めていくにはステークスホルダーとの協働による整備推進が良いのではないかと思われます。
 また、近年の自然災害状況を鑑みますと、安満遺跡公園のように災害時に有用な防災機能の充実は春日部市も十分に検討し、積極的に導入を行うべきであると考えます。そして、完全系ではなく進化系公園とし、市民とともに育む公園づくりは非常にユニークな発想で、社会変化にも対応しうる事業推進方法ではないかと考えます。
 高槻市は稼ぐ公園でしたが、春日部市の計画している本庁舎跡地の空間は市民の方の自主的な創造活動を阻害せず、広く利用率をあげられるよう、比較的安価な利用料であったり、公益性が認められるような活動であれば、無償が望ましいと考えます。
 しかし、設置するベンチや看板などは同様のメッセージが入れられたり、工夫されたアイデアで寄付などによるコスト創出を目指す形が望まれます。

視察の様子
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