各常任委員会、議会運営委員会、各会派　行政視察報告書

委員会名・会派名

新政の会

視察先

大阪府　吹田市

視察案件

「市役所本庁舎内チャレンジャー育成事業」について

実施日

令和2年2月5日

参加者氏名

河井　美久、滝澤　英明、鬼丸　裕史、金子　　進、佐藤　　一、水沼　日出夫、石川　友和、榛野　　博

（１）視察先の概要
　吹田市は、近畿地方中央部、大阪府北部の北摂三島地域に位置し、東は摂津市、西は豊中市、南は神崎川を経て大阪市、北は箕面市及び茨木市に隣接し、人口３７３，５５７人世帯数１７３，５６１世帯（人口及び世帯数は、令和元年１２月末日現在。）で、２０２０年４月１日より中核市に移行します。
　もともと、神崎川沿いの河港として古くは栄え、近代以降はアサヒビールでビールのまち、吹田操車場で鉄道のまちへと変貌をし、現代以降は千里ニュータウンの造成、日本万国博覧会の開催で知名度を上げた地域になります。有名な太陽の塔は、こちらの万博博覧会会場跡地の万博公園に設置されております。
　市域には、自然の湖沼はなく、釈迦が池・竜ヶ池などたくさんのため池が市内に設けられております。周囲は淀川や安威川、神崎川、山田川など多くの河川に囲まれております。気候は、瀬戸内海式気候区の気候で、温暖ですが雨の少ない地域です。この気候を生かして稲作が行われてきており、ため池が多いことは、雨量が少ないことなどが起因しております。

（２）視察内容
１　チャレンジャー育成事業の背景・目的について
　平成２５年４月に、吹田市役所本庁舎地下１階にて営業していた喫茶室と売店が事業撤退したことから、平成２６年から休止していた喫茶室跡を、「起業家支援及び地域商業活性化のためのチャレンジショップとして活用してはどうか」、という若手職員の提案によって、「チャレンジャー育成事業」の実施が決まり、喫茶室跡地が地域経済振興室の所管となり始まったものです。
　地域的特性として、全国でも事業を興す起業家の多い地域で、市内で飲食業などの起業を検討している起業家へ開業の前段階として、試験的にこちらで事業を展開し、ローコストで実践的に取り組めるようにし、「起業家を応援するまち」というブランディングを行い、ＰＲすること、ひいては地域経済の活性化に資することを目的としています。
２　ゆめちか出店者について
　事業対象者は店舗を必要とする飲食業のうち、新たに事業を興そうとしている者で、現在、事業を営んでいない者になります。チャレンジショップ事業終了後に、吹田市内の商店街などを中心とした商業集積地などにおいて、引き続き本格開業をする意思の有る者で、市税に滞納が無く、完納していること。また、事業開始にあたり、自己資金を有していることが条件になっています。
　事業者選定にあたっては、中小企業診断士や飲食業経営者などで選定会議を開き、事業計画などを審査し決定します。平成２６年度から応募者の数は若干変わりますが、毎年この事業者への取り組みを行う起業家の出店はあります。
　過去４回の起業家のその後の動向は、１名が事業を断念された方はおりますが、実店舗での開業、イベントなどへの出店での事業継続、開業地選定を行っている方という状況です。
　現在５期目の「カレーと珈琲のお店　まると」様は、今月で予定期間満了ですが、事業継続を考え、出店方法を検討されているとのことです。
３　その他新規事業者への支援策について
　創業支援型事業所賃借料補助金や商店街等魅力向上促進事業補助金などで、起業家が創業する支援を行っております。また、定期的に庁内で有資格者などによる商業相談を行っております。
４　今後の課題について
　今後の課題として、出店期間の適正さや事業スキームなどの見直しを検討し、利用のしやすさを高め、起業家を積極的に支援できる方法を模索しているとのことです。また、飲食業にかかわる設備の経年劣化により、設備の更新など費用的な問題も課題となっているようです。
　本事業のＰＲをもっと高めることで、更なる起業家を輩出できるよう考えられているとともに、本事業終了後のサポート体制もこれからは考えていかれるようです。

（３）視察から得られた考察
　春日部市においても、本庁舎の地下では現在、店舗が事業を行っておりますが、地域的特性である起業家を輩出する土壌を春日部市にも芽生えさせることが、地域の活力の育成を高めると考えました。
　そのために、現在行っている空き家・店舗対策の施策をもっとＰＲし、新規に出店を検討されている起業家が積極的に挑戦できる支援を、春日部市においても更に充実させていくことが望ましいとも考えました。