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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
建設委員会
視察先
長崎県 長崎市
視察案件
長崎駅周辺再整備事業について
実施日
令和元年10月18日
参加者氏名
木村 圭一、今尾 安徳、井上 英治、坂巻 勝則、
佐藤   一、古沢 耕作、河井 美久、岩谷 一弘

視察結果概要

(1)視察先の概要
 長崎市は長崎県の県庁所在地で、人口は約41万3千人と県内最大です。面積は405.86平方キロメートルで春日部市の6倍以上の広さがありますが、市域面積の約13パーセントにあたる市街地に人口の約78パーセントが住んでいるため、市街地の人口密度が高いことで有名です。
 また、古くから貿易港・出島を持つ港湾都市として発展してきており、再来年の令和3年には長崎開港450周年を迎えます。外国文化を多く取り入れた歴史ある美しい町並みは、2015年には旧グラバー住宅など8つの構成資産が、2018年には大浦天主堂など3つの資産が世界文化遺産に登録されています。併せて、美しい夜景は世界新三大夜景都市(長崎・香港・モナコ)や、日本新三大夜景都市(長崎・札幌・北九州)に認定されており、毎年多くの観光客が訪れています。

(2)視察内容
 長崎駅周辺再整備事業とは、@九州新幹線西九州ルート建設事業、AJR長崎本線連続立体交差事業、B長崎駅周辺土地区画整理事業の3つの事業を相互に関連させながら、長崎の陸の玄関口としての再整備を進める事業です。
 @は国が事業主体となり、事業費約6,197億円をかけ、令和4年の開業に向けて順調に工事を進めているところです。開業すると、長崎〜博多間がこれまで特急で最速1時間48分だったのが、全線フル規格新幹線だと最速51分となり、大幅に短縮できます。しかし、新幹線の途中駅となる佐賀県がフル規格新幹線に反対していることから、もし在来線特急と新幹線のリレー方式ということになると最速1時間22分となり、これまでと比べて約26分の短縮に過ぎません。この規格については今後の重要な検討課題となっています。
 Aは県が事業主体となり、12年の年月と約459億円をかけ、約2.5キロメートルの区間を高架化し、4つの踏切を除却することで、交通混雑の緩和や東西の一体化、均衡ある発展を目指しています。春日部市の場合、スカイツリーライン約1.4キロ区間、アーバンパークライン約1.5キロ区間の高架化と、10箇所の踏切除却で約650億円を見込んでいますので、規模的に考えれば最低12年以上かかるというのも納得のいくところです。
 Bは市が事業主体となり、長崎駅周辺の土地約19.2ヘクタールにおいて、新駅舎や駅前広場、都市計画道路、多目的広場などを整備し、「ゆとりとやすらぎのなか、交流と賑わいを基軸とした新しい長崎の玄関口」を形成する事業です。事業費は約154億円、事業期間は令和5年度までで、進捗率は平成30年度末時点で約23パーセントとなっています。新駅舎は新幹線と在来線が並行する、一体化した造りとなっており、来訪者を迎える大きなホーム空間を創出しています。ほかに新長崎警察署や県営バス新長崎ターミナル、ホテルや店舗などが入る交流拠点施設の建設も始まり、送迎していただいたバスの車窓から工事中の景色を見ると、生まれ変わってゆくまちなみに高揚感を覚えました。

(3)視察から得られた考察
 長崎駅は現在、JR長崎本線と特急かもめが発着する駅ですが、九州のほかの都市や空港への行き来には高速バスを利用される方が多いと思われます。そこで今回の九州新幹線西九州ルートが開業すれば博多から楽に来ることができるようになり、今まで以上に観光都市として発展することが予想されます。
 長崎市が主体で行っている長崎駅周辺土地区画整理事業では、鉄道施設の受け皿を整備するだけでなく、道路や交通広場などの基盤整備や、土地利用の転換・有効活用を図り、国際観光都市・長崎の玄関口にふさわしい都市拠点を形成しようとしています。その中には商業施設はもちろん、一流ホテルの誘致も含まれており、これまで以上に長崎市の付加価値を高めるものとなりそうです。
 長崎駅前を見ると、現時点でもアミュプラザ長崎という商業施設が隣接しており、十分賑わいを感じることができますが、残念ながら今の春日部駅にはそれがありません。せっかく鉄道高架化し、駅舎が新しくなっても、それに見合った施設が周りになければ魅力のない街で終わってしまいます。この機会を生かし、未来を見据えた、誰からも選ばれるまち「春日部」を築いていけるよう尽力していきたいと思います。

視察の様子
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