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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
建設委員会
視察先
長崎県 諫早市
視察案件
諫早駅周辺整備事業について
実施日
令和元年10月17日
参加者氏名
木村 圭一、今尾 安徳、井上 英治、坂巻 勝則、
佐藤   一、古沢 耕作、河井 美久、岩谷 一弘

視察結果概要

(1)視察先の概要
 諫早市は面積341.79平方キロメートルと春日部市の5倍以上の広さがあり、人口約13万6千人は長崎市、佐世保市に次ぎ、県内第3位であります。
 長崎県のほぼ中央に位置し、東は干潟の有明海、西は内海の大村湾、南は外海の橘湾という特性の異なる海に囲まれ、豊かな自然に恵まれています。また、市内には4本の国道、高速自動車道、JR、島原鉄道が通り、各半島の結節部であることから交通の要衝となっています。
 400年以上前からの干拓によって形成された諫早平野は県下最大の穀倉地帯で、肥沃な丘陵地帯は野菜やみかんの特産地になっています。また、県内有数の産業集積拠点である工業団地を有しており、製造品出荷額は県下第2位を占め、バランスのとれた産業構造となっています。

(2)視察内容
 諫早市は県央地域の交通結節点として発展してきた諫早駅周辺地区において、令和4年度の九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)開業にあわせ、新幹線がもたらす波及効果を最大限に活用し、駅周辺の活性化と魅力あるまちづくりを推進するため、整備を進めてきました。
 主な事業としては、諫早駅東地区第二種市街地再開発事業、諫早駅自由通路整備事業、諫早駅西口交通広場整備事業、市道永昌東栄田線整備事業、駐輪場整備事業があり、全体事業費は約187億円かかっています。
 中でも駅東口の再開発事業には約126億円をかけ、諫早駅東口に再開発ビルT棟とU棟を建設し、T棟には交流広場やバス待合所のほか、商業施設やホテルが、U棟には商業施設や交番、駐車場が入るほか、主にマンション(105戸)として活用することで商業・業務機能の課題や居住環境・景観に関する課題の解決を図っています。なお、ホテルに関しては大手チェーンではなく、地場産業を活用するという話でした。
 自由通路整備事業には約20億円をかけ、既に平成30年8月から供用開始しています。これまで西口には改札がなく、地下道を通って東口に出ていましたが、自由通路の整備により東西の通り抜けが容易になり、ひとの流れの変化が図れます。
 今後の課題としては、現在もめている新幹線の運行形態(フル規格かミニ新幹線か)が確定しないと限定的な波及効果に止まる恐れがあること。また、行政が行う駅周辺整備に対し、民間のまちづくりの気運がまだそこまで高まっていないことなどが挙げられます。実際、空きビルとなる旧西友跡地に入る商業施設や、移設元のバスターミナル跡地の活用がまだ決まっていないということでした。
 今後の展望としては、駅周辺地域の活性化ということで、民間開発意欲の向上と駅前商店街の活性化への盛り上がりへの期待を、そして新幹線・駅周辺の整備効果を市内外へということで、島原半島3市と連携した魅力発信と4市共同のソフト事業の展開による多様な交流と地域活力の創出を挙げています。

(3)視察から得られた考察
 諫早駅周辺整備事業は、平成20年3月に九州新幹線西九州ルートの認可が下りてすぐに基本構想を、またその翌年度には整備計画を立て、令和4年の新幹線開業に向けて順調に事業が進められてきました。視察時には既に駅自由通路や東口再開発ビルT棟の1工区は完成し、供用開始されていましたが、商業店舗やホテル、分譲マンション等が入る2工区やU棟は完成までまだ1年以上かかるため、全体のイメージが掴めなかったのは残念でした。
 駅周辺にホテルを設置することは春日部市において重要な課題です。全国展開のチェーンホテルを誘致することでビジネス客や観光客を呼び寄せ、ひいては周囲の飲食店をはじめ市内経済も活性化します。ぜひ本市の中心市街地整備の際には最優先で取り組んでいただきたいと思いました。
 また、今後の展望の中で触れている「民間開発意欲の向上と駅前商店街の活性化への盛り上がりに期待」というのも切実な問題です。駅ビルが充実し集客があったとしても、周辺の既存の商店街が栄えないケースが多いため、官民一体となって市街地再開発を進めていく必要があります。その点、諫早市では組合施工で同時に活性化を図っているということでした。本市でも春日部駅周辺再開発を行うにあたり、周辺事業者、地権者が納得のいくまちづくりを期待します。

視察の様子
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