各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 総務委員会
- 視察先
- 山口県 宇部市
- 視察案件
- シティセールス事業について
- 実施日
- 令和元年10月18日
- 参加者氏名
- 鈴木 一利 、 栄 寛美 、 金子 進 、 山崎 進 、 海老原 光男
視察結果概要
(1)視察先の概要
宇部市は本州の西端、山口県の南西部に位置し、西は山陽小野田市、東は山口市、北は美祢市に接し、南は瀬戸内海の周防灘に面する化学工業都市です。
市街地からほど近い位置に山口宇部空港、海浜部には重要港湾の宇部港があり、東西にJR山陽本線及び宇部線が走り、中央部を横断する山陽自動車道と合わせて、陸海空それぞれの交通環境が整っています。
また、江戸時代の初めに石炭が発見され、当初は瀬戸内の塩田用燃料として用いられてきましたが、明治時代以降は石炭需要の急増に伴って、各地で炭鉱が開かれ、石炭産業が発展していきました。
その後、近代的な工業都市へと移行し、ばいじん降下による大気汚染などの公害問題を引き起こしましたが、産官学民一体となった「宇部方式」により公害対策に取り組み、環境改善を図りました。その実績は、産業発展と市民福祉の調和を目指す先進事例として広く知られるところとなり、平成9年に、それまでの環境の保護・改善への功績が高く評価され、国連環境計画(UNEP)から「グローバル500賞」を受賞しました。
面積は286.65平方キロメートル、人口は平成31年4月1日現在、164,899人となっています。
(2)視察内容
宇部市では平成7年以降毎年人口が減少しており、6年後の2025年までに、約1万1千人の人口減少を見込んでいます。また、40年後の2060年の人口内訳を、生産年齢人口(15〜64歳)50パーセント、老齢人口(65歳〜)42パーセント、年少人口(〜14歳)8パーセントと見込んでいるところです。
そのため、人口流出と流入の均衡と出生率の向上、都市の活性化などを目的として、平成24年にシティセールス推進本部を設置、平成30年にはシティプロモーション推進部を設置するなど、体制整備を行いました。また、重点プロジェクトを、@イメージアップ戦略、Aシティセールスパートナー戦略、B観光集客戦略として、プロモーションビデオの作成、首都圏のメディアへのPR活動や首都圏からのツアー客の誘致、SNSの活用や宇部ラーメンのブランド化、ときわ公園への集客や映像作品のロケーション誘致などを行っています。
その結果、平成30年度の観光客数は、3年前と比較すると約35万人増加しており、シティセールスの効果が見られています。また、30歳代の夫婦と乳幼児の世帯の地域の暮らしやすさ指標は、全国7位となっています。
今回の視察では、人口減少克服に向けたシティセールスの取り組み状況等について、担当者より説明を受けました。
(3)視察から得られた考察
宇部市では、人口流出と流入の均衡と出生率の向上、都市の活性化などを目的として、シティセールスを推進しており、誰に、何を、どうやって売り込むのか明確にしています。
また、行政によるイメージアップ戦略だけではなく、民間との連携による「宇部ラーメンのブランド化」や、「光の街UBE」、「宇部デザイナーズコレクション」の開催、市内の大学等で学ぶ留学生のシティセールスパートナーの就任等も戦略のひとつとしています。
これらの戦略により、宇部市の観光客数は年々増加しており、ときわ公園の入園者数は3年前と比較して、約10万人増加しています。また、企業誘致についても成果が得られており、企業の累積数は増加傾向にあります。
これらのシティセールスの事業の推進は、本市にとっても参考になる取り組みであり、大変参考となるものと考えます。

視察の様子