各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 新政の会
- 視察先
- 愛媛県 宇和島市
- 視察案件
- 「宇和島市学習交流センター」について
- 実施日
- 令和元年11月1日
- 参加者氏名
- 河井 美久、山崎 進、滝澤 英明、鬼丸 裕史、金子 進、佐藤 一、水沼 日出夫、石川 友和、榛野 博
視察結果概要
(1)視察先の概要
宇和島市は愛媛県の南予地方である県南部に位置し、南予地方の中心都市である。
宇和島城を中心に発展し、17世紀の後半頃、宇和海を漂流していたオランダ船を福浦の漁民が救助し、そのお礼として贈られた2頭の牛がたまたま格闘したことに由来する闘牛で有名な旧城下町である。
地形としては、西側は宇和海に面し、それ以外の三方は山地に囲まれ、狭い湾が複雑に入り込んだ沈水海岸であるリアス式海岸が広がり、加えて、九島・高島・戸島・嘉島・遠戸島・日振島など、5つの有人島と多くの無人島の離島もあり、漁港の数では全国有数である。
気候は、黒潮の影響を受け、瀬戸内地区と太平洋沿岸地区の中間に位置し、年平均気温は、16〜17℃で四季を通して温暖な太平洋側気候である。また、降水量は夏季に多く、梅雨前線の影響や台風の通過が多い年では年間2,500mmを超えることもある。
平成17年8月1日に、宇和島市・吉田町・三間町・津島町が合併して、新しく宇和島市となった。合併当初の人口は92,602人。市章は、Uwajimaの「U」という文字をデザインし、青色は「海と空」、緑色は「自然」を、赤色は「きらめく太陽」、赤い円と緑のUで人」を表現し、「人と交わり、緑と話し、海と語らう、きらめき空間都市」を表した発展性と躍動感を訴求している。
面積は、468.19㎢で、人口は2019年10月1日時点で、71,586人である。
(2)視察内容
1 施設整備に至った経緯について
「パフィオうわじま」は、図書館を中心に、小ホールを備えた生涯学習センターと子育て世代活動支援センターで構成された新たな学習・交流の複合拠点として、市民の皆様に親しみをもって利用してもらえる施設として、また、中心市街地活性化の拠点として活用されることを期待し、施設を整備した。
2 施設の概要・特色について
宇和島市学習交流センター「パフィオうわじま」は、図書館・子育て支援・生涯学習という3つの機能を併せ持った市民の新しい活動拠点であり、くつろぎの休憩スペースも併設し、市の指定避難場所、津波避難ビルにも指定され、普段だけでなく、いざというときにも、頼れる学習交流拠点となっている。
3 期待される効果について
駅からのアクセスも良く、3つの機能を持たせることにより、幅広い世代が利用しやすく、世代間交流などを通し、市民活力の向上が目指せるとのこと。実際に、視察時にも午前中から子育て支援フロアには母子で楽しむ光景を見ることができた。
また、図書館フロアは明るく開放的で、フロアにより書籍を分類することで、用途に合わせ使いやすく、また生徒・学生など気軽に学習しやすい環境が整備されていた。
1階に設置された小ホールは非常にコンパクトであるが、市民の意見を取り入れ、使いやすいサイズであるほか、稼働率が非常に高いとのことであった。
4 施設運営上の課題や今後の展望について
市内ある既存図書館との蔵書の連携をより円滑に行うために、蔵書管理タグの取り付けを進めるには、担当要員が職員を当てているため少数であることから、まだ期間を要するとのこと。しかし、管理タグの取付が完了すれば、すべての蔵書管理が容易になり、利用者間での蔵書移動においても管理が可能であるとのこと。
(3)視察から得られた考察
視察当日、午前中にもかかわらず、早い段階から多くの利用者が訪れていた。恐らく立地が駅から徒歩1、2分程度であるので、高齢者や子連れでも気軽に利用できるのではないかと思われた。また、全体的な施設設計は明るく、清潔感あり、木材を多用した落ち着く内装になっていた。施設は小規模なので、若干、物足りなさは感じたが、施設企画段階で、サウンディング方式で市民の意見を取り入れた結果で、コンパクトにしたとのことで、それが功を奏し、利用者数位が高いとの見解であった。
公共施設は利用目的に合わせ、大きさも検討し、拠点を数か所に分けるのは、流動性を持たせるのに効果があるように見受けられた。
春日部市においても、子育て支援施設が計画されている。利用者目線を第一に考え、より地域に浸透できる施設を目指すべく、視察先で見聞した事由を参考にしながら、査証していきたい。