各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 建設委員会
- 視察先
- 静岡県 沼津市
- 視察案件
- 沼津駅周辺総合整備事業について
- 実施日
- 平成30年10月25日
- 参加者氏名
- 木村 圭一、今尾 安徳、井上 英治、坂巻 勝則、
金子 進、古沢 耕作、河井 美久、岩谷 一弘
視察結果概要
(1)視察先の概要
沼津市は大正12年に全国で89番目、県では3番目の市として誕生し、その後、何度かの合併を経て、平成12年11月には県内初の特例市(現在は「施行時特例市」)に移行しました。
静岡県東部、伊豆半島のつけ根に位置し、東駿河湾地域、伊豆方面への交通拠点、また、広域的な商業・文化拠点として古くからこの地域の政治、経済、文化の中心的役割を担ってきました。
市の中央を流れる狩野川を中心に街並みが連なり、周辺部は海と山に囲まれた豊かな自然と温暖な気候に恵まれ、みかんやお茶、野菜の栽培や、駿河湾の豊富な水産資源を背景とした水産業や水産加工業が盛んな市であります。
(2)視察内容
沼津市は市街地が鉄道で南北に分断されたかたちであるため、日常的に交通渋滞が発生し、中心市街地の発展の大きな妨げとなっています。この問題を解消すべく、鉄道高架化と周辺の面的整備を一体的に行う「沼津駅周辺総合整備事業」が計画されました。
この事業は、「鉄道高架事業」、「土地区画整理事業」、「関連道路整備事業」、「駅北拠点開発事業」、「市街地再開発事業」の5つの事業からなり、具体的には、鉄道を高架化するとともに車両基地や貨物駅を移転し、その跡地を活用して都市基盤整備や拠点施設整備を行うといったものです。
そのうち、「駅北拠点開発事業」において駅北口にプラサヴェルデという会議場・展示場・ホテルが一体となった複合コンベンション施設が、また、「市街地再開発事業」において南口駅前広場を拡張し、商業施設・駐車場・住宅で構成される地下1階、地上20階建ての再開発ビル「イーラde」が完成するなど、建物整備に関しては順調に事業が完了しています。
ただ、都市基盤整備に関しては計画から大きく遅れており、特に「鉄道高架事業」に関しては、平成18年度の事業着手から既に10余年が経過しますが、用地取得等に大変苦労しているようです。それでも今回(10月30日から)、土地収用法に基づき、貨物ターミナル移転用地の強制収用に向けた立ち入り調査を始めるなど、本体着工への動きが具体化してきたところです。
(3)視察から得られた考察
春日部市もまさに今、「春日部駅付近連続立体交差事業」を進めているところです。完成までの期間は、事業認可取得後、最短で約12年を見込んでいますが、沼津市の例を見ると予定通りに進むのか、正直不安な面もあります。ただ、鉄道高架化により、新たに生じる高架下空間の活用や、駅前広場などのまちづくり、東西交通の活性化による新たなにぎわいの創出など、これからの春日部が魅力あるものとなることは間違いないと思います。
今回、視察させていただいた沼津市も、駅前にホテルを含めた複合施設を建てるなど、将来を見据えたまちづくりをしています。これらを参考にして、単に中心市街地の交通問題の解決を図るだけではなく、総合的なまちの開発・発展を目指し、一日も早く事業が完成するよう、我々も尽力していきたいと思います。

視察の様子