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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
建設委員会
視察先
大阪府 東大阪市
視察案件
総合雨水対策アクションプランについて
実施日
平成30年10月23日
参加者氏名
木村 圭一、今尾 安徳、井上 英治、坂巻 勝則、
金子   進、古沢 耕作、河井 美久、岩谷 一弘

視察結果概要

(1)視察先の概要
 東大阪市は大阪府、河内平野のほぼ中央部に位置し、東にある生駒山地を背に海抜5〜6mの平野部が西へ開け、地盤のやわらかい低地帯にあります。
 昭和42年に布施市・河内市・枚岡市の三市合併により誕生し、人口約50万人という大阪府第3の都市として、平成29年2月に市政施行50周年を迎えました。
 世界に誇るオンリーワン、ナンバーワンの技術を持った中小企業が集積しており、歯ブラシから人工衛星まで何でもつくれる「モノづくりのまち」として名を馳せるだけでなく、ラガーマンにとっての憧れの聖地・花園ラグビー場を有する「ラグビーのまち」としても有名で、来年のラグビーワールドカップの開催地として大変盛り上がっています。

(2)視察内容
 東大阪市のある寝屋川流域の地形はすり鉢状で、雨水が自然に河川に流れ込まない「内水地」であることに加え、急激な都市化の進展により保水・遊水機能が低下しているため、以前から浸水・冠水被害に悩まされてきました。そのため、国、大阪府、流域関係11市が協力して「寝屋川流域総合治水対策協議会」を設立し、「寝屋川流域整備計画」を策定。河川と下水道と流域が一体となった総合的な治水対策を進めてきましたが、近年頻発するゲリラ豪雨によって度重なる浸水被害を受け、市では平成25年9月に「雨水対策プロジェクト推進会議」を立ち上げ、平成26年3月に「東大阪市総合雨水対策基本方針」を策定、また、それをもとに翌27年2月に「東大阪市総合雨水対策アクションプラン」を策定しています。
 このプランは大きく分けて、@増補管や流域調節池の整備促進、校庭貯留による雨水流出抑制、管きょのバイパス化などの「雨水対策施設の整備(ハード整備)」、A民間施設による流出抑制(開発行為における貯留施設の設置指導)や森林・農地の保全(保水機能の回復)、雨水利用の促進といった「雨水流出抑制・保水機能の保全」、B降雨情報の提供や地域防災力向上など自助を促すソフト対策からなる「水害に対する備え」、といった3つのメニューから成り立っています。
 東大阪市ではこのアクションプランの計画期間を平成26年度からの10年間を目標としており、進捗や社会情勢に合わせて適宜見直しています。すでに平成28年1月に第2次アクションプラン、平成30年3月に第3次アクションプランを策定し、浸水被害の早期軽減に努めています。

(3)視察から得られた考察
 世界最大級の地下放水路である「首都圏外郭放水路」のある春日部市においても、近年多発する局地的豪雨により、中小河川や水路などの浸水被害が市内各地で多発しています。莫大な予算があれば優先的に各種ハード整備を進め、災害を未然に防ぐことができるのでしょうが、現実問題としてそれは難しいと思われます。
 東大阪市では府事業として全国初の取り組みである地下河川を通したり、増補管や流域調節池を整備するなど、大掛かりなハード整備も行っておりますが、それと併せ、ソフト対策として市民に対して出前講座を実施したり、(国交省の)レーダ雨量情報を提供し市民に活用してもらうなど、防ぎきれない自然災害に対しての心構えとその対処法について、市民理解を深める取り組みを取り入れている点が特徴的でした。本市においても今後の参考とさせていただきたいと思います。

視察の様子
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