各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 総務委員会
- 視察先
- 石川県 金沢市
- 視察案件
- 協働のまちづくり推進事業について
- 実施日
- 平成30年10月19日
- 参加者氏名
- 鈴木 一利、海老原 光男、卯月 武彦、佐藤 一、荒木 洋美、会田 幸一、山崎 進、栄 寛美
視察結果概要
(1)視察先の概要
金沢市は本州のほぼ中央に位置し、明治22年4月1日に市制を施行した北陸の中枢都市です。以降、近隣町村との度重なる編入・合併によって市域を拡大し、平成8年4月1日に中核市に移行しました。
東は富山県境から西は日本海まで東西23.3キロメートル、南は白山山麓から北の河北潟まで南北37.3キロメートルの範囲にあって、市域の南部を白山山系から連なる山地が占め、北部は金沢平野を経て日本海に臨んでいます。
また、江戸時代には「加賀百万石」と称され、加賀藩前田家の城下町として栄え、加賀友禅や金沢箔、九谷焼などの伝統工芸や能楽や加賀万歳などの伝統芸能が受け継がれて、豊かな自然や藩政時代から受け継がれた伝統文化や景観が今も色濃く残っています。
面積は468.64平方キロメートル、人口は平成30年4月1日現在、464,427人となっています。
(2)視察内容
金沢市では平成19年3月、市民参加及び協働による市政を総合的に推進するために、「金沢市協働推進計画」を策定し、「市民の思いと力が生かせるまちづくり」に取り組んできましたが、近年の少子高齢社会の進展や人口減少時代の到来、地域課題の多様化、高度化といった社会構造や市民意識の変化に対応するために、平成28年度の期間満了を待たず、新たな将来像と基本方針等を示すものとして、平成28年度から平成32年度までの5年間を計画期間とした、「金沢市新協働推進計画」を策定しました。
この計画の推進にあたっては、これまで以上に市民一人ひとりが自立し、自覚と責任を持って、行政と交流・連携して対等の立場でまちづくりに当たることが必要になると考え、行政はこのような市民の交流等を支援するなど、市民自らが果たすべき役割を自覚し、積極的かつ主体的にまちづくりに参画するとともに、行政と連携のもと、各自の力を十分に発揮できるような環境を整備するため、「自立した市民との交流・連携による協働のまちづくり」を将来像に掲げ、@市民等の育成や活動の支援、A市民等の交流や連携の促進、B市民等に向けた情報の収集と提供の3つの基本方針のもと各種施策に取り組んでいます。
また、地域社会が可能性豊かな学生を育み、学生と市民との相互の交流や学生と金沢のまちとの関係を深めながら、学生のまちとしての金沢の個性と魅力を磨く高めていくことを目的として、「学生のまち推進条例」を制定し、将来にわたり希望と活力に満ちた魅力あふれるまちづくりに取り組んでいます。
今回の視察では協働に関する各種施策の取り組み状況について担当者より説明を受けました。
(3)視察から得られた考察
地域の課題や多様化する住民ニーズに的確に対応していくには、市民の豊かな想像力、迅速性・柔軟性などの特性を活かしながら、新しい行政の形を築くような協働が求められています。
金沢市ではNPO等の市民団体や町会等の地域団体、学生団体などから創意と工夫にあふれるまちづくり企画を提案してもらい、市民と行政が協働してまちづくりに取り組む、「協働のまちづくりチャレンジ事業」について説明を受けました。今年で8年目の事業となるが、これまでの取り組みを通して、市民の自主・積極的なまちづくり意識の向上や既存の枠にとらわれない新規施策へと繋がるなど、多くの効果が見られたとのことでした。
また、地域団体や市民活動団体の活動の支援や団体相互の連携を促進することで、団体の活動活性化や地域コミュニティの充実を図るため、平成30年9月30日にオープンした市民活動サポートセンターの現地視察を行いました。同施設には「金沢学生のまち市民交流館」が併設されているほか、地域活動や市民活動に関するコーディネーターやアドバイザーによる相談や町会の運営方法、役員の選出、規約などの町会についての相談にも対応しており、いずれも協働に関する先進的な取り組みであり、本市における今後の取り組みに際し、大変参考となるものと考えます。

視察の様子