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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
教育環境委員会
視察先
山形県 山形市
視察案件
中心市街地における商業振興施策及び山形まなび館について
実施日
平成30年1月18日
参加者氏名
荒木洋美、斉藤義則、松本浩一、鬼丸裕史、
     滝澤英明、中川朗

視察結果概要

(1)視察先の概要
 山形市は、山形県の中部東にある人口約25万人の市で、県庁所在地でもあります。
 当市は、明治維新によって藩が廃され、県に改まると、明治22年に市制が施行されました。また、昭和29年には近接12カ村を、続く31年には6カ村を合併して現在の規模となっています。平成元年には市制施行100周年を迎え、平成8年には「いきいき躍動山形プラン(山形市新総合計画)」がスタート。平成13年には特例市に移行しています。平成19年には「新総合計画」をスタートさせ、平成27年には圏域の人口減少を食い止めるため、山形市第2期経営計画を見直し、山形市発展計画を策定しました。現在は『みんなで創る「山形らしさ」が輝くまち』をめざす将来都市像とし、その実現に市民、事業者、行政の共創により取り組みが行われています。

(2)視察内容
 中心市街地における商業振興施策及び山形まなび館について、山形まなび館で視察を受けました。
≪中心市街地における商業振興施策について≫
 山形市では、平成20年から平成26年を計画期間として、第1期山形市中心市街地活性化基本計画が策定されました。第1期計画では、@「街なか観光」・「イベント」による賑わいの創出、A人の温もりを中心部に誘導する「街なか居住」、B特色ある商業の振興を基本方針として、それぞれの基本方針に目標値を設定し、目標値達成を行うために行う81事業が計画に掲載されました。その結果、全81事業のうち、76事業(93.8%)が完了または着手済みとなりましたが、(1)人口減少社会を見据えた誘客の推進、(2)来街者を歩行者・自転車通行量につなげるための事業展開、(3)空き店舗の解消が課題となりました。
 第1期を踏まえ、平成26年から平成32年までを計画期間として第2期山形市中心市街地活性化基本計画が策定されました。第2期計画では、「歴史や文化を活かした、山形の魅力あふれるまちづくり」をテーマに、賑わい拠点の創出、商業の魅力の向上、街なか観光交流人口の増加を目標に事業が進められています。
≪山形まなび館について≫
 第一小学校旧校舎は、山形県下初の鉄筋コンクリート造の校舎として昭和2年に建築され、平成13年には国の有形文化財として登録されています。この歴史的価値のある建物を後世に継承するとともに、中心市街地の賑わいづくりの拠点としていくため、平成22年4月から「山形まなび館」として活用がされています。施設は、市の商工観光部山形ブランド推進課が所管し、運営は管理運営業務委託により行われています。館内では、文化財の展示、市の見どころなど観光情報を提供するやまがた情報室、市のソウルフード「どんどん焼き」などを提供するカフェ、山形や季節にちなんだものづくり体験コーナーを常設しているイベントルーム、市民向けに交流ルームの貸し出しなどが行われています。

(3)視察から得られた考察
 まず、中心市街地における商業振興施策についてですが、本市においても郊外の大型ショッピングモール建設や、市外への買物客の流出があり、今まさに中心市街地の活性化が求められています。市民からも中心市街地の活性化を求める声が多く、いかに中心市街地の魅力を向上させるかが課題となっています。山形市でも中心市街地における大型店の撤退などに伴う小売業の売上額減少、歩行者交通量減少、居住人口の減少が問題となる中、平成20年から6年間を計画期間とした第1期山形市中心市街地活性化基本計画が策定されました。その結果、中心市街地における拠点となる新名所を整備したことなどの効果もあり、街なか観光客の入込数は、平成26年では目標値の1.7倍の68万4000人にのぼりました。続く第2期の中心市街地活性化基本計画でも具体的に目標数値を定め、現在も中心市街地の活性化に向けて取り組まれています。本市においても中心市街地活性化に向けて、現状を分析し、具体的な目標を立て、戦略的に事業を推進していかなければなりません。また、山形市中心市街地活性化戦略推進事業では、市だけではなく、中心市街地で経営を行っている市民や有識者などが一体となって、課題解決に向けて取り組む体制づくりが構築されており、大変参考になりました。
 次に、山形まなび館についてですが、前述の第1期山形市中心市街地活性化基本計画で中心市街地の拠点として、廃校を活用した施設です。耐震補強工事を施し、建物を後世に保存・継承するとともに、市民の交流とまなびの拠点として活用することで、中心市街地の賑わいの拠点の役割を担っています。実際に現地を視察させていただきましたが、市民が使用できる交流スペースが数多くあり、また市のソウルフードを提供する喫茶店、市の魅力を発信する情報館など、市内外の方の利用を考慮し、拠点となる施設として取り組まれておりました。
 本市でも現在学校再編が進められており、再編後使われなくなった廃校の利用について協議が進められています。本市でも廃校の利用については、地元の交流の場として還元され、賑わいを創出できるよう検討していただきたいと考えます。

視察の様子
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