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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
新風会
視察先
大分県 別府市
視察案件
防災運動会について
実施日
平成29年2月7日
参加者氏名
吉田 剛、古沢 耕作、栄 寛美、小久保 博史

視察結果概要

(1)視察先の概要
 別府市は、九州の北東部、瀬戸内海に面した大分県の東海岸のほぼ中央に位置し、阿蘇くじゅう国立公園に属する由布・鶴見岳の麓で裾野をなだらかに別府湾へと広げる扇状地特有の地形により、緑豊かな山々や高原と波静かな別府湾に囲まれた美しい景観を誇り、大地から立ちのぼる「湯けむり」は別府を象徴する風景として市民はもちろん観光客からも親しまれている。
市内には、別府八湯と呼ばれる8つの温泉エリアが点在し、毎分8万3千リットルを越える温泉は、日本一の湧出量と源泉数を誇り、医療、浴用などの市民生活はもとより観光、産業などにも幅広く活用され、古くから日本を代表する温泉地として賑わい、歴史と文化あふれる国際観光温泉文化都市である。
市内には約3,600人の留学生が勉学に励んでおり、一般市民30人に対し1人の留学生が暮らす日本でも有数の異文化あふれる国際交流都市としても成長を続けている。
平成29年2月現在、市の総面積は125.34㎢、人口は約12万人である。

(2)視察内容
 防災運動会とは、住民の防災を通じてのコミュニケーションを図るものであり、楽しんで防災に触れることを前提として行うものである。
高齢者・子ども・留学生等、様々な世代等の方々が楽しく防災に触れることで新たなコミュニケーションが生まれることを期待している。地域住民が共に協力する「共助」の精神を向上させるために開発されたものである。
具体的な競技内容は、地域住民の方々がチームを組み、消火器による消火訓練、心臓マッサージ、担架搬送を1サイクルとして、リレー形式で5チーム程度で実施する。
別府としては、防災訓練の参加率が低いこと、特に子どもや若者の参加率が低いことを解消するために、楽しみながら防災に関する知識を身につけられるようにと考案されたものである。
ただし、競技という形式で防災訓練を行うことにより、スピードを重視する傾向にあり、技術的に質が低下するという問題点もある。
また、別府市においては、実際の火を使った消火訓練や水道局と連携し給水車の訓練、自衛隊と連携し、炊き出し訓練などの防災訓練も実施している。
熊本地震で被災したことにより、地域の特性や実情を踏まえつつ、地域の自主防災会・医療機関・福祉施設等と連携して、高齢者や障がい者に対して行動する仕組みを作るなど避難行動支援に係る地域の共助力の向上にも努めている。
今後は、現在市内にいる防災士と自主防災組織がしっかりと連携し、地区ごとの課題等を話し合う防災士会を結成するとともに、地域で災害時に必要な支援はどのようなものがあるのかを把握する体制を構築していく予定である。

(3)視察から得られた考察
 本市においては、防災運動会は実施していないが、各自治会単位で構成される自主防災組織ごとに防災訓練を実施している。参加者が限定され参加率も高いとは言えない状況であり、特に子どもや若い方の参加率が低いように感じるため、別府市の防災運動会のように、市民の皆さまが興味を持ちなるべく参加してもらえるような仕組みを作ることは非常に重要なことであると感じた。
ただし、イベントの要素が強すぎて形式的な訓練になってしまう事には十分留意する必要がある。
また、別府市においては熊本地震で被災した経験についてのお話が聞けたことは非常に有意義であった。
特に福祉避難所の開設に関する規定があったにもかかわらず、震災時の混乱により開設することができななった事が反省点であるとのことでした。
本市においても福祉避難所に関する規定があるが、被災した際にしっかりと機能するように平時にしっかりと対策を練る必要がある。
また、避難所の運営において、ペットの同行避難が非常に問題になった旨のお話が聞けた。
別府市としては、ペットとの同行避難を禁止していたが、実際には市民の方々が避難所にペットと同行避難をしており、断ることが非常に難しかったとのことである。
ペットの同行避難についても事前に詳細なルールを作っていなかったことにより被災時のトラブルとなった事から、本市においてもペットの同行避難についても平時にしっかりとルール作りを行い、被災時にトラブルが起こらない様に対策を練る必要があると考える。
さらに、震災を受けて自治会ごとの自主防災組織単独の防災訓練のみでは実際に震災時では対応困難がケースが多数あったことを受けて、震災後は地域の企業や他の自治会との連携を意識した防災対策を実施しているとのことである。
本市においても、被災時にしっかり対応ができる防災対策を早急に構築する必要があることを強く実感し、今後の市政運営に役立てていきたいと考える。

視察の様子
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