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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
議会運営委員会
視察先
宮城県 気仙沼市
視察案件
災害時における議会運営について
実施日
平成28年11月1日
参加者氏名
鬼丸 裕史、栄 寛美、金子 進、松本 浩一、山崎 進、小久保 博史、武 幹也、中川 朗、会田 幸一(議長)、栗原 信司(副議長)

視察結果概要

(1)視察先の概要
 気仙沼市は宮城県の最北東端に位置し、東は太平洋に面し、南は南三陸町、西は登米市、岩手県一関市、北は岩手県陸前高田市に接しています。市の東部の沿岸は、三方を海に臨む半島や複雑な入り江など、素晴らしい景観を有するリアス式海岸となっており、三陸復興国立公園及び海中公園の指定を受けています。
 市の面積は、333.41平方キロメートル、人口は平成28年3月31日現在、66,330人で平成18年に旧気仙沼市と唐桑町の1市1町の合併、平成21年には本吉町の編入と2段階の合併を経て、現在に至っています。
 また、太平洋に面した港町であり、水揚げされるサメのふかひれやカツオ、サンマは全国的にも知名度が高いことから、「魚食健康宣言都市 スローフード宣言都市」として観光の振興に取り組んでいます。

(2)視察内容
 平成23年3月11日の東日本大震災による津波により、気仙沼市では死者数1042人、行方不明者220人、浸水面積18.65平方キロメートルと大きな被害を受けました。当時、議会は、2月定例会会期中で、3月11日は予算審査特別委員会を開催しており、地震後まもなく、津波警報が発表されたことから直ちに散会としました。各議員は自身の安全を確保しながら、地元へと向かったり、災害対策本部にて情報収集するなど個人対応となりました。
 定例会が開催されたままであったことから流会を防ぐため、連絡がつく議員の過半数(15名)を確保し、議会を再開し全てを可決し3月14日に閉会させることができたとのことです。発災から1〜2か月間は、執行部においては、避難所運営やがれきの撤去等、議会対応が出来る状況になかったとのことでした。
 こうした状況の中、議会では、3月から4月にかけて、議員全体会議を開催し、東日本大震災への市議会としての対応を協議し、特別委員会の設置や議員報酬の減額について5月の臨時会で議決しました。更にこの年は27回もの委員会や分科会を開催しながら、執行部の復旧・復興の取組を質してきました。平成24年度からは、毎月11日に「東日本大震災調査特別委員会」を開催しています。また、現在も市内18カ所にて議会報告会を重ねるとともに、議員活動の一環として、数人グループで、仮設住宅等において震災関連の各種相談会を開催しています。 

(3)視察から得られた考察
 視察の前半では、震災時の様子を収録した映像を拝見させていただきましたが、当時見たニュースの映像が思い出され、とてもいたたまれない気持ちとなりました。
 こうした状況から5年以上を経た現在においても、不眠不休で復興に向けた取組を行っており、大変苦労されているものと察します。
 担当者からの説明では、震災の半年後に仮設住宅等で情報提供や要望収集のために議会報告会を開催したが、「議員は避難所に誰も顔を見せなかった。何もしなかった。今頃遅い。」等々の非難の声が多かったとのことでした。こうしたことを踏まえ、前日視察した陸前高田市と同様、震災対策のマニュアルを作成しましたが、作成時期は2市ともに春日部市よりも遅く、復旧・復興への取組を優先的に行ってきたからと推察されます。
 今後においては、陸前高田市と同様、気仙沼市の被害の状況や復興に向けて実際に行ってきた議会としての取組を念頭に置くことにより、訓練の際、そして有事の際にこれまでよりも適切で精度の高い対応が図れるよう努めていきたいと考えます。

視察の様子
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