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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
教育環境委員会
視察先
奈良県 奈良市
視察案件
小中一貫教育について
実施日
平成28年10月11日
参加者氏名
荒木洋美、斉藤義則、井上英治、松本浩一、鬼丸裕史、滝澤英明、海老原光男、中川朗

視察結果概要

(1)視察先の概要
 奈良が歴史の表舞台に登場するのは、天明天皇が和銅3年(西暦710年)に藤原京からこの地に都を遷したことに始まります。以来7代の天皇、70余年の間首都として栄え、天平文化の華を咲かせました。
 その後、明治4年の廃藩置県により奈良県が設置されましたが、同9年に堺県に合併され、さらに同14年には堺県が大阪府に合併されたため奈良もその所管となりました。明治20年になって奈良県の再設置が認められ、奈良に県庁が置かれました。明治22年には町制がしかれ、同25年には奈良・大阪湊町間に鉄道が開通し、明治31年2月1日、市制が施行され、政治、文化、交通の中心地として発展しました。
 また、戦後、隣接町村との合併を行い、観光都市としての性格を備える一方、京阪神のベッドタウンとして市西部や北部に近代的な住宅団地が次々と建設され、人口は急激に増加しました。
 平成14年4月1日には中核市に移行し、平成17年4月1日には月ヶ瀬村、都祁村と合併し、面積276.84㎢、人口37.3万人となり、平成28年4月1日現在、人口36.1万人となっています。

(2)視察内容
小中一貫教育について、市立富雄第三小中学校を視察しました。
≪奈良市の小中一貫教育≫
○目標
 9年間の連続した学びの中で「確かな学力」と「豊かな人間性」の育成を図る
○施設形態
 2中学校区は一体型で、小学生と中学生が同じ施設の中で学習
 19中学校区は連携型で、小学校と中学校、小学校同士が連携をとりながら学習
○小中一貫教育の柱 
@地域との連携…地域教育協議会を各中学校区に設置し、中学校区の子どもを地域で育てる
A小中学校の教職員の協働…9年間を見通したカリキュラム
B奈良らしい特色ある教育…総合「なら」による世界遺産学習や地域学習、外国語科による小学1年生からの外国語教育、ICTを活用した情報活用能力の育成
Cキャリア教育…義務教育9年間で身につける力を明確にし、成長に合わせた系統的、継続的な取り組みの推進

≪富雄第三小中学校の小中一貫教育≫
○施設一体だからこその特色 
・入学式と運動会は小中合同で実施
・小中職員がお互いの授業を参観し、授業研究を通して学び方を研究
・小学5年生から中学校部活動へ参加可能
・中学校教員が小学校で授業、小学校教員の部活動支援(顧問)による指導・引率
○施設一体型による成果 
・中1ギャップの解消…中学部の様子がわかり、中学進学への不安が軽減
・落ち着いた生活…下級生(小学部)に見られることで中学部生徒の規範意識の高まり
・学力の向上…小学部で学習している内容が把握でき、中学部での学習がスムーズに
          1年生からの英語学習で、特にリスニングにおいては大きな効果

(3)視察から得られた考察
 奈良市では、平成16年に小中一貫教育特区に認定され、平成27年4月から市内全ての小中学校で小中一貫教育を実施し、施設一体型の小中学校2校、連携型の小学校・中学校19中学校区、合計21の小中一貫教育推進ブロックでそれぞれ特色ある教育を推進しています。
 今回、視察をさせていただきました富雄第三小中学校は、平成23年に開校した施設一体型小中一貫校であり、小学生と中学生が同じ校舎で学習をしていましたが、日々の業務における意思疎通が図れるように小中合同の職員室としていたり、小学5年生から中学校部活動への参加を可能とするなど、施設一体型ならではの特色ある工夫がされておりました。また、小学部と中学部が全て一緒のことをするのではなく、小学部の音楽会と中学部の文化祭を別に開催したり、中学部としての自覚と心構えを身につけることを目的として、中学部への進学を機に制服の着用を行うなど、目的に応じてあえて違いを持たせる取り組みもしていました。
 本市においても、現在、武里南部地域と庄和北部地域で小中一貫教育を考慮した学校再編が進められていますが、奈良市における小中一貫教育の推進や施設一体型小中一貫校での取り組みを現地視察することができ大変参考になりました。

視察の様子
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