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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
建設委員会
視察先
愛知県 安城市
視察案件
中心市街地拠点整備事業について
実施日
平成28年10月13日
参加者氏名
栄 寛美、水沼日出夫、坂巻勝則、会田幸一、蛭間靖造、武 幹也

視察結果概要

(1)視察先の概要
 安城市は、江戸時代後期には、「安城が原」として知られていた場所であり、水の確保が難しい土地で、各藩の所有地が入り組んでいたこともあり、水路の掘削が思うように進まなかったとのことです。そして、この悩みを解決したのが、明治18年に全面通水した明治用水となります。この用水路の完成により、この土地は農業先進地として発展し、「日本のデンマーク」と呼ばれ、全国的に知られることになりました。
 市街地では、明治24年に国鉄安城駅が開設されて以降、駅を中心に集落が形成され、まちづくりが急速に進みました。中部経済の中心である名古屋市から30キロメートルという距離や、工業都市が隣接する地理的条件にも恵まれ、自動車関連企業の進出や住宅団地の建設により急速に都市化した地域です。工場や住宅が多く造られたことにより、商業も栄え、人口が増加してきています。

(2)視察内容
 この施設は、平成14年に移転した安城更生病院の跡地に、「市民とともに育む環境首都・安城」を実現することを目的に計画されたものです。民間活力を活用し、図書情報館を中心とした集客施設を整備するものであり、図書情報館、多目的ホール、広場、公園とスーパーマーケット、カルチャースクールなどから構成される公民複合施設を建設・整備することにより、市民の情報、活動や暮らしのサポートの拠点とするものになっています。
 また、この事業は、拠点施設及び事業用地全体での一体的な施設計画などの面から、公共施設部分をPFI方式による設計・建設を行い、民間施設であるスーパーマーケットやカルチャースクール、駐車場部分は、定期借地方式で実施するところに特徴があります。
 なお、この施設は、愛称を「アンフォーレ」とし、平成29年6月のオープンを予定しており、1階には、市民課窓口が設置されます。2階から4階までは、市直営の図書情報館。エントランスや多目的ホール、屋外イベント広場等は指定管理者が運営することになります。
 これらの複合施設が生み出す中心市街地の核としての存在がどのようにまちのにぎわい創出につながっていくのか参考に視察したものです。

(3)視察から得られた考察
 安城駅を中心とする中心市街地では、移転した病院の跡地の活用について様々な議論が行われ、平成19年に市民の代表等で構成される「中心市街地拠点整備構想策定懇話会」から整備構想への提言が行われていました。市民の参画により向うべき方向性について意見が出されることは大変重要なプロセスだと考えます。
 また、具体的な進め方として、このPFI事業は、公共施設の設計と建設、その後の15年間の維持管理業務等を行う契約で行われています。また、商業施設棟は20年間の定期借地契約によって借地料を市に納めてもらい、市は公共施設利用者の駐車場使用料として200台分の使用料を民間事業者に支払うという形で進められていました。適正なリスク分担といった観点から、公共施設のPFI事業と定期借地によって整備・運営される民間収益事業とを明確に分離するといった手法は、合理的な方法として一つの参考になると考えます。
 人々の回遊を周辺のにぎわいへと波及させていく点では、駅周辺の商店街や各種団体などと連携し、童話「ごんぎつね」で知られる新美南吉の作品をモチーフにした壁画などを駅周辺に配置させ、さらなる回遊性を高める取り組みを実践しており、効果を高める参考事例として目を引くものでした。

視察の様子
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