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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
建設委員会
視察先
愛知県 東海市
視察案件
治水対策事業について
実施日
平成28年10月12日
参加者氏名
栄 寛美、水沼日出夫、坂巻勝則、会田幸一、蛭間靖造、武 幹也

視察結果概要

(1)視察先の概要
 東海市北部の干潟は、「あゆち潟」と呼ばれており、愛知県の語源になっているとのことです。この地は、干潟と伊勢湾を一望できる要衝の地であり、4世紀ごろには、相当な勢力の豪族が治めていました。また、海岸部では、製塩が行われていて、採れた塩は、調塩(当時の租税制度の「調」として納められた塩)として、平城京に送られていました。江戸時代には、尾張藩2代目藩主徳川光友が別邸として横須賀御殿を建造し、これにより横須賀町は町方と称され、農漁村から商業の町へと変化していったとのことです。また、昭和44年に上野町と横須賀町が合併し、愛知県で23番目の市となりました。市制施行以降、東海市は中部圏最大の鉄鋼基地として、また、県下でも有数の生産量を誇る洋ランを始め、全国有数のフキの産地としても発展を遂げてきています。
 現在は、太田川駅を東海市の玄関としてふさわしい中心市街地とするため、土地区画整理事業、鉄道高架事業、市街地再開発事業が行われており、まちの様子が大きく変化してきています。

(2)視察内容
 太田川は、東海市の中央部を流れる川で、近年多発する局地的な豪雨により、浸水被害が生じています。市街化の進展などによる土地利用の変化から、雨水が河川へ流れ込みやすくなったことによる雨水流出量の増加に加え、市街地の地盤が周辺と比べて低く、計画を超える規模の降雨においては地盤の低い箇所の排水が行えず、被害が発生しているとのことです。このような浸水被害の軽減対策として、国土交通省では、河川や下水道等のハード対策に加え、住民の避難行動を支援するためのソフト対策を一体的に実施する計画を「100mm/h安心プラン」として、登録する制度を創設しています。この制度に登録されると交付金の重点配分や交付要件の緩和の対象となるものです。
 なお、春日部市もこの制度への登録を行っているところですが、春日部市の次に登録されたのが東海市の「浸水対策推進プラン」となります。東海市が行う事業内容を参考にするほか、治水対策全般について視察したものです。

(3)視察から得られた考察
 東海市では、平成12年9月の東海豪雨により、床上浸水550戸、床下浸水563戸の被害が発生しました。また、平成21年10月の台風18号では、床上浸水40戸、床下浸水80戸の被害が発生しています。都市化の進展により雨水の貯留や浸透が阻害され、河川への雨水流出量が増加したこと、市街地が周辺と比べて地盤が低いことにより内水被害が発生することが要因であると分析されていました。田畑の減少による保水能力の低下や地盤が低いことなどは、本市の要因とも重なります。
 東海市の浸水対策事業は、河川整備事業、下水道整備事業、流域対策事業、その他の事業に分けて考えられており、特に流域対策事業に重点を置いているとのことでした。この事業は、公共施設や公園を利用した貯留施設の整備と、ため池を利用した貯留施設整備を進めるものです。本市においても学校の校庭を利用した雨水貯留などが行なわれています。なお、今回の視察では、貯留容量4,000立方メートル規模の地下調整池2箇所を現地確認させていただきました。特に、既存の公園の地下に整備を進めている調整池は、約11億8千万円を投じるものです。洪水時の被害軽減を目的とした総合的な治水対策は、多額の費用を要し、事業期間も長期にわたるものです。地域が抱える課題に合わせた具体的な計画を基にそれぞれの治水対策事業に遅れが生じることのないよう着実に進めることが最も重要であると考えます。

視察の様子
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