各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 公明党
- 視察先
- 北海道 苫小牧市
- 視察案件
- 「消防庁舎整備事業」について
- 実施日
- 平成28年8月3日
- 参加者氏名
- 中川 朗、栗原信司、武 幹也、荒木洋美、鈴木一利、木村圭一
視察結果概要
(1)視察先の概要
苫小牧市は1800年に蝦夷地の警備と開拓のため八王子から人が移り住んできたのが発端。しかし、北の玄関口の冬の過酷な気象に多くの人が帰郷するもこれが苫小牧地方の礎となった。
その後、1873年に開拓使が勇払郡出張所を苫細(苫小牧)に移転してから苫小牧の本格的な歴史が始まった。
豊富な水と木材資源により製紙業が活発になり、その後、石炭を流通させるため、世界初の内陸掘込港湾となる苫小牧港(西港)が開港しました。
1980年には東港が開港すると、札幌都市圏に最も近い太平洋岸の港と言うこと、新千歳空港にも近接している利便性から北海道の工業地域を代表する工業都市・港湾都市になり現在に至ります。
人 口 173,268人(平成28年6月末現在)
世帯数 87,281世帯
面 積 561.57㎢
(2)視察内容
苫小牧市消防としては東西40kmになる細長い地形ということと、東部地域に人口が増加してきたこと、旧庁舎が市役所との関連で狭隘であること、東日本大震災など災害が多発化、大雨による大水害など、災害の状況も多様化してきていることから、新庁舎として建設したもの。
消防本部の使命は地域住民の生命、身体及び財産を護ることが責務と言えます。そういう点で、新施設では@東部地域の人口増加に対応A消防地区としての空白区の解消B連絡体制としてデジタル化への移行C消防指令システムの更新などを目的としている。
総工費26億円をかけ、庁舎、訓練棟、高機能消防指令システム、ヘリポート施設の工事などを行った。
大きな特色の一つとして、今まではほぼ手つかずの女性消防職員を確保するためのエリアの設定を行った。また、隊員が出動する際に動線を確保した車両待機車庫と仮眠室の設置となった。また、次の改修の際に、システム上は問題なく24時間稼動ができるように将来の改修を見込んだスペースを設置したことがあげられる。
(3)視察から得られた考察
まず、春日部市において直ちに建替改修の必要はないかもしれないものの大災害に備えるに充分と言うことはないことと、地震、台風、竜巻など災害規模は年々高まってることから準備は怠ってはならないこと。
また、苫小牧市では港があることと、巨大石油コンビナートがあることから自主防災組織が、行政の消防本部との連携も強く図られてることから、春日部市としては大きな企業、大きな被害が発生しうる事業者はないとはいえ、大きな工業団地を複数抱えてることから、大規模災害を想定した今後改修する際の情報収集、意見交換が必要と思われる。
その際、苫小牧市でも女性視線を活かすこと、これは総務省の指示でもありますが、消防現場での取組として、男女平等作業として、現場での救出救援に女性の視点を取り入れることなどから、春日部市としても早急な対応が必要と思われました。

視察の様子