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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
新政の会
視察先
山口県 萩市
視察案件
萩市有害鳥獣対策及びサル捕獲隊緊急養成事業について
実施日
平成28年2月3日
参加者氏名
河井美久、会田幸一、滝澤英明、岩谷一弘、鬼丸裕史、
金子 進、佐藤 一、斉藤義則、水沼日出夫、石川友和

視察結果概要

(1)視察先の概要
 萩市は、山口県の北部に位置し、総面積は698.79㎢で県土の11.4%にあたります。人口は51,087人 (平成27年4月1日現在)。地形は、全体として東部の中国山地から北西部の日本海に向かう傾斜地で標高700mを超える山々が連なっており、低地は少なく大半を山地が占めています。気候は、沿岸部においては対馬海流の影響を受け比較的温暖であり、中山間部においては盆地特有の気候で、変化に富んだ豊かな自然環境を有している。歴史的には、萩城下町は毛利輝元公の開府以来400年の歴史を刻んでいる。特に各地に居を定めた毛利家家臣により、学問や教育活動に力が注がれ明治維新の原動力になった人材を多く輩出しています。 又、萩市は全国有数の観光都市として有名ですが、第一次産業の就業者数や1経営体当たりの経営耕作面積は県下でも上位に位置しており、有数の農林水産地域と位置付けられています。

(2)視察先内容
 萩市は、山と海に囲まれ低地が少ないことから、市内全域で野生鳥獣による農作物被害が発生しています。特にサルによる農作物被害は相談件数も突出しており、平成20年8月に萩阿武地域鳥獣被害防止対策協議会を設立し侵入防止柵の設置を中心とした被害防止に努めてきました。 
 しかし、サル被害に対しては十分な効果が得られないことから、地域ぐるみの活動支援のためのモデル集落の育成や、モンキードッグの養成、サルパトロール隊の設置といった住民を巻き込んだ被害対策などを実施しています。又、近年は狩猟者の減少・高齢化により野生動物との共生バランスが崩壊してきています。その為最近では、凶暴・悪質なサルによる人身被害も発生し、住民の不安が高まってきていることから萩市職員によるサル捕獲隊を結成することとなりました。この取り組みは全国的にも例が少なく、狩猟免許を持った萩市職員が公務として、サル被害に迅速に対応し効果的なサル捕獲を実施するものです。従来の猟友会捕獲隊の活動に代わるものではなく、補完的活動を行うものです。

 (サル捕獲隊の活動内容)  
・活動は勤務時間内のみ、捕獲を目的とした通報により出動。 
・対象鳥獣はサルに限る。 
・鳥獣捕獲期間は通年、許可区域は萩市全域。 
・銃が使用可能な場所であることが確認できた場合に限り捕獲活動を行う。

(3)視察先から得られた考察
 萩市は、地形的な要因もあり全域で野生鳥獣による農作物の被害が発生しています。 農作物被害額も平成22年度は101,850千円であったものが、平成26年度は56,176千円に減少してきています。野生鳥獣被害対策を地域ぐるみの取り組みを中心に実施してきた結果、鳥獣対策に対する意識の向上が見られ、個々で対策を講じるよりはるかに効率的で、悩みを抱え込まず地域の課題として取り組むことができたことが成果につながったとのことでした。
 そしてこうした活動は、地域の活性化にもつながり、集落をみんなで守るという目標を目指し活気あふれる地域になったとの事です。
 本市においても、タヌキやハクビシンやカラスによる農作物被害は少なからずあります。農業従事者の高齢化や農業後継者不足等による耕作放棄地の増加により、野生動物の生息域は拡大してきていると考えます。萩市のように野生鳥獣の被害を地域全体の問題と考え、地域ぐるみの取り組みを行うことにより、地域の活性化につながれば参考にしたいと考えました。

視察の様子
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