各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 議会運営委員会
- 視察先
- 岐阜県 可児市
- 視察案件
- 議会改革と議会の活性化の取り組み内容について
- 実施日
- 平成27年11月11日
- 参加者氏名
- 会田幸一、栗原信司、卯月武彦、松本浩一、滝澤英明、
海老原光男、山崎 進
(オブザーバー 中川 朗、鬼丸裕史)
視察結果概要
(1)視察先の概要
可児市は、岐阜県の中南部に位置し、古くから飛騨路と木曽路への重要な結接点となっています。県庁所在地の岐阜市及び中部圏の中核都市である名古屋市から、ともに30kmの距離にあり、JR太田線、名鉄広見線で概ね1時間の位置にあります。
また、昭和40年代後半から名古屋圏のベッドタウンとして丘陵地を中心に民間開発による大規模な住宅団地の建設が相次ぎ、急速に人口が増加しました。昭和57年4月には、岐阜県下で14番目の都市として市制施行され、平成17年には兼山町と合併しています。北部には木曽川が流れ、自然と伝統文化が息づいたまちです。
なお、可児市議会は、条例定数22人。予算決算委員会のほか、総務企画委員会、建設市民委員会、教育福祉委員会の4常任委員会が設置されています。また、特別委員会として議会広報特別委員会を設置しています。
(2)視察内容
1.大学との連携の取り組み
議員の資質の向上を図ることを目的に、平成20年7月から行われている。市内の名城大学と連携。毎月1回程度、名城大学のゼミに学生とともに参加。地方自治や時事問題の意見交換を行なうなどにより、知見を深めています。
2.議論充実のための取り組み
一般質問に関しては、大項目ごとに一括質問、一括答弁方式を採用し、再質問から一問一答方式を行う春日部市議会と同じ方法と大項目ごとに完全に一問一答方式で行う二つの方法を選択できるようにしています。また反問権については、執行部が議長または委員長の許可により、その根拠や理由を確認したり、論点を明確にするための権利として保障しています。
3.予算決算審査サイクルについて
以前は、予算特別委員会・決算特別委員会をその都度設置し、審査を行っていましたが、決算審査の結果を予算審査に反映させるために、議長と監査委員を除く20人の議員で予算決算委員会を構成し、審査サイクルを構築しています。
予算決算委員会では、執行部が作成する重点事業説明シートを活用し、決算説明を受けた後に完全通告制の質疑を行っています。質疑の後に常任委員会単位の分科会で次年度の予算に提言する内容を取りまとめ、各分科会の報告を受けた予算決算委員会において、委員全員が一致する提言案を市長に「提言」として通知しています。
なお、次年度の予算審査の際は、まず「提言反映結果報告」を執行部が行ってから予算説明に入る流れとなっています。
(3)視察から得られた考察
可児市議会は、平成15年に議会活性化特別委員会を設置して以降、さまざまな議会改革に取り組んできています。当時の政務調査費の使途基準の見直しや一問一答対面方式の導入などは、他市の先をゆくものでした。なお、数々の積極的な改革の中で、大学との連携などは、議員一人一人の知見をさらに高める方法として、とても参考になるものです。
また、予算決算審査サイクルでは、委員会内に設置されている分科会において提言案を検討し、委員会においてまとめ、市長に提言をするといった積極的な運営を行っていることがわかりました。議員全員一致の提言は非常に難しいものと考えますが、委員間で議論を深めることはとても重要であり、実践的な審査システムであると考えます。

視察の様子