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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
建設委員会
視察先
石川県 金沢市
視察案件
中心市街地における都市機能向上の取り組みについて
実施日
平成27年10月21日
参加者氏名
栗原信司、蛭間靖造、斉藤義則、松本浩一、岩谷一弘、木村圭一

視察結果概要

(1)視察先の概要
 金沢市は、石川県のほぼ中央に位置し、東は富山県境から西は日本海まで東西23.3q、南は白山山麓から北の河北潟まで南北37.3qの範囲にあって、市域の南部を白山山系から連なる山地が占め、北部は金沢平野を経て、日本海に臨んでいます。市街地は、寺町台、小立野台、卯辰山の三つの台地の間を犀川、浅野川の二つの河川が流れており、起伏に富んだ地形となっています。金沢の市域は、山と海、水と緑など自然環境に恵まれています。
 金沢の町の起こりは、蓮如の北陸地方の布教により一向宗徒の勢力が強まり、農民を中心とした信者が加賀の守護富樫政親を高尾城に滅ぼした後、真宗本願寺の末寺を「金沢御堂」として建立し、加賀一向宗の中心とし、以来、寺のまわりに、後町、南町などの町がつくられたのがはじまりと言われています。天正8年佐久間盛政により金沢御堂は攻め滅ぼされ、盛政はここに「金沢城」を築きました。天正11年盛政が賎ヶ岳で敗死したあと、七尾小丸山城にいた前田利家が金沢城に入城したのがこの年の6月14日と言われています。以来、加賀、能登、越中を合わせた加賀百万石の城下町として繁栄を続けることとなりました。
 明治4年の廃藩後、金沢町となり、同22年4月1日市制が施行され、県庁所在地として行政、文化、経済の中心として発展を続け、大正13年以来10数次にわたる隣接町村の合併により市街地規模の拡張を図り、今日に至っています。

(2)視察内容
 金沢市中心市街地都市機能基本構想は、重点エリアとして位置付けられている『武蔵エリア』、『片町・香林坊・広坂エリア』における、商業、業務、居住、観光やアクセス、まちなか回遊性などの都市機能を向上させるため、両重点エリアを対象として、概ね20年先を見据え、都市活動を活性化するために目指すべき都市空間のあり方を明らかにするとともに、実現策の検討を行うことを目的としています。

<都市機能向上に向けた基本方針 〜都市機能向上の5本柱〜>
 @安全で楽しく美しい都市空間づくり … 老朽化した建築物の再整備による安全性の向上とともに、商業、業務、居住等の都市機能向上の誘導や伝統環境に調和した景観の形成等により、安全で楽しく美しい都市空間の形成を図る。
 A安心して歩き憩える街路・広場づくり … 歩行者専用空間や分かりやすい誘導経路による歩行空間の充実とともに、賑わいや交流を生み出すまちなか広場の整備等により、来街者が安心して歩き憩える街路・広場の形成を図る。 
 Bまちなかへのアクセスを支える移動環境づくり … 公共交通や自転車、自動車などの移動手段を用いて、都心部に容易にアクセスでき、安心して回遊できる空間整備等により、来街者のまちなかへの移動を支える交通環境の向上を図る。
 C金沢固有の資源を活かした魅力づくり … 藩政期から受け継がれる城下町の都市構造(町割・街路)をはじめ、犀川や用水の水辺、金澤町家等の金沢固有の資源を保全・活用することにより、多様な魅力の創出を図る。
 Dまちなかを育てる仕組みづくり … 行政と民間が連携・協働し、都心部の様々な人や活動をつなぎ合わせながら、継続的にまちなかを育てていく仕組みの構築を図る。

(3)視察から得られた考察
 現在、私たちを取り巻く社会情勢は、人口減少や高齢化の進展など急激に変化しており、自治体はこれらの問題に対応していかなくてはなりません。金沢市では、これらの問題を対応するために、「都心部における都市機能の集積を図る」ことを目的として、重点エリアとして位置付けられている「武蔵エリア」及び「片町・香林坊・広坂エリア」を対象に、20年先を見据え、中心市街地が目指すべき都市空間のあり方について検討を行っています。街の中心部をどう再構築するかにあたっては、広い視点でゾーニングと中核道路の位置づけが行われており、また、官民協働で都心空間のあり方を共有し、それを具体的な施策につなげていこうとする取り組みとなっていました。
 市の中心市街地の賑わいは、市内外から人が訪れることにより創出されるため、多くの人が訪れたくなる中心市街地ならではの魅力的な空間を提供する必要があります。魅力的な空間づくりのために、誰もが安心して楽しく集い、回遊できる空間であることを基本として、金沢固有の魅力である歴史的な街路や街割などの都市構造を活かしながら、商業や業務などの連続的な空間形成を図り、来街者が容易にアクセスできる環境を整備することで、求心力のある持続可能な都心空間の実現を目指すこの基本構想は、今後の春日部市の中心市街地整備の考え方において大いに参考になりました。
 本市においても数十年先を見据えた、持続可能な中心市街地とする都市機能向上に向けて取り組んでいきたいと考えます。

視察の様子
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