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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
新風会
視察先
石川県 金沢市
視察案件
金沢21世紀美術館の運営と地域活性化について
実施日
平成27年2月11日
参加者氏名
小久保 博史、栄 寛美、海老原 光男、
古澤 耕作、吉田 剛

視察結果概要

(1)視察先の概要
 金沢市は、石川県のほぼ中央に位置する、石川県の県庁所在地。人口は464,887人 199,113世帯 面積468.22㎢の中核市である。金沢のまちは、16世紀半ばに本願寺が布教の拠点として「金沢御堂」を置いたことにはじまる。その後約400年前に前田利家公がこの地に城を定め、以来、加賀百万石の城下町として発展、藩政時代には江戸、大坂、京都に次ぐ規模の大都市であったといわれている。城のまわりに形成された武士のまち、活気あふれる商人のまち、城下を守るように配された寺のまちなど、城下町の風情が今も残り、日本の文化が美しく息づいている。
 また、平成27年3月14日には北陸新幹線が開業し都心からのアクセスが格段に良くなることから観光客の増加が見込まれる。

(2)視察内容
 金沢21世紀美術館は、石川県金沢市広坂にある現代美術を収蔵した美術館である。平成7年に石川県と金沢市が共同で都心地区整備構想検討員会を設置。平成8年に美術館建設事務局が発足し、市民フォーラム等を経て、平成16年10月にオープンした。
 金沢21世紀美術館の特徴は、@ユニークな建築と楽しい体験型アートA子どもたちでいっぱいの美術館B地域社会や他の美術館との連携であり、中心市街地の活性化を図る観点から、集客力のある施設を作ることを目指して建設された。
建設後の効果としては、建設に伴う経済効果として217億円、オープン後1年間の運営・来館者に伴う経済効果として111億円という試算も出されている。
 地域活性化に向けての取り組みとして、「アートdeまちあるき」や「商店街との連携を」を行っている。
 今後の課題として、入館料のみでは施設の運営費が賄えないこと、また施設の維持管理費が増加していること、北陸新幹線開通後の来場者数が予測困難で対応に苦慮していることなどがある。近年、アジア圏をはじめとする外国人旅行者の割合が増加してきており、現在約15%程度が外国人旅行者である。受付には、常時1名〜2名の英語を話すことが出来るスタッフを配置している。

(3)視察から得られた考察
 年間約150万人の来館者があっても、施設の維持管理費や運営費を賄うことが出来ないという市立美術館運営の難しさを感じた。しかし、美術館の目的をまちと共に成長し、「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」に資することと定め、市の施策として金沢の都市の魅力を高め、世界に向かって文化を発信することであるという理念はとても素晴らしいと感じた。実際に視察させて頂き世界に誇れる地域の美術館という印象を強く受けた。市内商店街との連携により地域活性化を目指し、市内小学校との連携により小さいころから最先端の現代美術にふれることで市の新たな可能性に資するのではないかと思う。
 また、視察時にも多くの外国人旅行者がいたが、受付に常に1名以上の英語を話せることが出来るスタッフ(視察時は外国人の方)が常駐し、世界のお客様を受け入れる体制が整っていると感じた。
 春日部市としても、子どもからお年寄りまで健康でいきいきと暮らせるまちを目指しているため文化芸術活動の重要性を再認識した。また、地域活性化に資するために美術館を利用するという発想についても取り入れることが出来るのではないかと感じる。さらに、春日部市はフレーザーコーストとの姉妹都市協定の締結により今後海外からの観光客やビジネスマンとの交流も目指していることから、外国人旅行者をどのようにおもてなしするかという視点についてもしっかりと検討して行く必要があると感じた。

視察の様子
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