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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
新風会
視察先
富山県 氷見市
視察案件
氷見市庁舎の建て替えについて
実施日
平成27年2月10日
参加者氏名
小久保 博史、栄 寛美、海老原 光男、
古沢 耕作、吉田 剛

視察結果概要

(1)視察先の概要
 氷見市(ひみし)は、富山県の西北、能登半島の東側付け根部分に位置しています。多くの幸をもたらしてくれる「青い海」と「みどり豊かな大地」を有し、人の心を引きつける自然の恵みに包まれています。
 日本海側有数の氷見漁港には、四季を通じて156種類もの魚が水揚げされ、初夏の「マグロ」、冬の「寒ブリ」、そして「氷見いわし」は広辞苑にも掲載されるほど有名です。
 また、日本ではじめて発見された洞窟住居跡「大境洞窟」や万葉の歌人大伴家持ゆかりの史跡など、歴史のロマンにも満ちあふれています。さらに、近年は市内各地で温泉が湧出し「能登半島国定公園・氷見温泉郷」の名称でPRに努めています。  
 ◎ 面  積   230.50平方キロメートル(東西18.25キロメートル 南北21.65キロメートル)(海岸線延長19.5キロメートル)
 ◎ 人  口   約5万5千人
 ◎ 世  帯   約1万7千世帯
 ◎ 主な産業   農業、漁業
 ◎ 市の生い立ち
 明治4年の廃藩置県後は、金沢藩(旧加賀藩)から金沢県に属しまし たが、その後七尾県、新川県、石川県と変わり、明治16年に石川県か ら分離して富山県の一部となりました。明治22年には、氷見町ほか2 0か村が誕生し、明治29年には氷見郡となりました。昭和27年から市制を施行し、その後昭和29年までに3回の合併を行い、全国でもまれに見る一郡一市となりました。

(2)視察内容
氷見市庁舎の建て替えについて
1.移転検討時の現状と課題について
 東日本大震災の教訓を踏まえ、地震や津波などの災害時に、行政機能を維持し、防災拠点としての機能が発揮できるよう、耐震性などに不備のある現在の市庁舎の整備を検討してまいりました。
 a.耐震性などの不備・・・震度6強クラスの地震に対して、倒壊し、または崩壊する危険性が高いとされ、糸魚川沖地震による津波の浸水想定区域内に位置しています。
 b.市庁舎(本庁舎)の老朽化・・・本館、昭和43年竣工築44年目、別館昭和34年竣工築53年目を迎えており、数年後には建て替えを検討する必要がありました。
 c.市庁舎の分散配置・・・本庁舎、教育文化センター、いきいき元気館、環境浄化センターの4個所に分散を余儀なくされ、利用者にとって極めて不便な状態でした。
 d.駐車スペースの不足・・・大勢の人が集まる会議やイベント等を市庁舎で開催することが出来ないほか、3〜4月の住民異動届の混雑時や選挙の期日前投票時等駐車場が不足し利用者にとっても極めて不便な状態にあり職員駐車場も必要台数を確保できていませんで
 した。
 e.市庁舎のバリアフリー化・・・バリアフリー化への対応ができておらず、高齢者や障がい者の方々に負担を与えていました。
2.市庁舎の整備方法(案)
 7つの選択肢を想定し、それぞれについて比較検討を行いました。
 @耐震補強せずに現庁舎を当面継続使用
 A現庁舎を耐震補強
 B現在地で新築
 C旧市民病院建物を改修して再利用
 D旧市民病院敷地で移転新築
 E旧有機高校校舎を改修して再利用
 F旧有機高校体育館を改修して再利用
3.市庁舎の整備方針(案)
 市庁舎の整備にあたっては、市の財政負担を考慮し、既存の建物を改修・再利用するなど、整備に要する初期投資を極力軽減することが求められました。
 また、長年の懸案であった庁舎の分散配置の解消やスペース不足の解消や駐車スペース不足の解消も併せて解決を図る必要がありました。加えて、防災拠点施設としての機能強化を図る必要があり、津波の浸水想定区域を避けるとともに、市民病院など他機関との連携や災害時における幹線道路網へのアクセスなどに留意
する必要がありました。さらには、整備のための財源が確保されなければなりません。
 想定した7つの選択肢について比較検討した結果、これらの条件を満たす案は、F旧有機高校体育館を改修して再利用であり、当時において最も実現性の高い有力な整備方針でありました。
4.整理すべき課題
 a.現庁舎跡地の利活用および中心市街地のにぎわい対策
 b.市街地住民の利便性確保
 c.旧有機高校体育館などの利用者への対応
 d.旧有機高校記念会館、タイムカプセルや石碑などの取り扱い
 e.春中ハンドの代替会場確保・・・ハンドボールが盛んで全国大会の開催市
  f.市庁舎周辺の交通対策
 g.地域防災計画の見直し
 h.健康課の移転およびいきいき元気館の後利用
 i.教育委員会事務局の移転および教育文化センターの後利用
 j.旧市民病院跡地の利活用など
5.市庁舎整備の財源
  緊急防災・減災事業債(単独事業)
  充当率 100% 交付税算入率70%
  (元利償還金の7割が普通交付税に算入される)
  ※ 東日本大震災を教訓として、全国的に緊急に実施する必要性が高く、即効性のある防災、減災などのための事業のうち、住民の避難、行政・社会機能の維持および災害に強いまちづくりに資する地方単独事業に充当。
6.市庁舎整備のイメージ
 a.市民課、福祉課、税務課といった市民が多く利用する窓口をワンフロアに配置
 b.駐車場は職員用も含めて400台程度を確保
 c.高齢者や障がい者の方が移動しやすいようにバリアフリー化の実施
 d.ソーラーパネルの設置や省エネ機器の導入など、環境への配慮
 e.災害時の避難場所の確保や防災資機材等備蓄庫の併設、防災空地の確保等防災拠点としての機能強化

(3)視察から得られた考察
 氷見市において、新庁舎建て替えの問題は視察内容からも必要不可欠な問題であったわけですが、タイミングが良かった点は高校の耐震の問題で県が高校の統合を検討していた点、また、体育館の自体の耐震は旧第1体育館は平成3年、旧第2体育館は平成8年建築と比較的新しい体育館であったこと。雪の多い地域の体育館は2階建てで建設されており新庁舎に転用が出来たということがありました。
 春日部市において、そのことが当てはまる事とは思いませんが、新庁舎を検討するにあたって、市民、職員の方々を交えたかたちで5回のワークショップが行われ丁寧な議論が積み重なった結果、市民参加の拠点となる開かれた庁舎が完成いたしました。ワークショップに参加された市民の方々のご意見は「市民の熱い思いが形に。その英知をここから発信しよう!!」、「新庁舎の顔の部分に当たる植栽をワークショップで決めた。自分たちで生み出した感じがしてうれしい。訪れるたびに思い出してわくわくするだろう。」という感想を述べています。春日部市も現在、新庁舎整備の問題が議論されています。条件的には、春日部市、氷見市とは違いますが、市民の皆様の意見を取り入れることは重要な事と考えます。今後の春日部市にとって氷見市の新庁舎建設の過程は、大変参考となりました。

視察の様子
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