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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
建設委員会
視察先
宮城県 多賀城市
視察案件
多賀城駅周辺整備と連続立体交差事業について
実施日
平成26年10月16日
参加者氏名
中川 朗、蛭間靖造、斉藤義則、井上英治、
松本浩一、岩谷一弘、木村圭一

視察結果概要

(1)視察先の概要
 多賀城市は、宮城県のほぼ中央、太平洋岸に位置し、周辺には、県庁所在地の仙台市や漁港で有名な塩竈市、日本三景で有名な松島町などがあります。
 まちの地形は、東西に長く、それを2つに分けるように砂押川が中心部に流れています。市の東部や北部には史跡が点在し、海に近い南部の平野には工場地帯が形成され、西部地区の平野には田畑が広がっています。
 明治22年、13の村が統合し、古代東北地方の政治経済の拠点であった陸奥国府「多賀城」の名を永久に残すため、村名を「多賀城」としました。
 昭和26年、町制を施行。昭和39年3月、仙台湾地区4市12町とともに新産業都市に指定。その後、昭和46年7月の仙台港開港に伴い、港と結びついた鉄鋼、石油、電力等を中心とした企業が進出し、宅地開発が盛んになったことと相まって人口が飛躍的に伸び、昭和46年11月、3万人市制の特例を受け、宮城県下9番目の市となりました。
 多賀城市は、東北地方太平洋沖地震による津波で市域の約34%が浸水し、188名の尊い命が奪われました。また、全壊世帯は1,746世帯、大規模半壊と半壊世帯は3,730世帯、一部損壊を合わせると11,510世帯の住家が被害を受けました。
 現在、平成32年度復興を目標に震災復興計画を策定し、復旧・復興への道のりを歩んでいます。 

(2)視察内容
 多賀城駅周辺土地区画整理事業では、中心市街地の活性化を実現するため、駅前広場、道路、公園等の公共施設を整備し、多賀城市の中心としての玄関口にふさわしいまちづくりを連続立体交差事業(宮城県事業)と合わせ取り組まれています。 土地区画整理事業により、駅周辺の道路・公園・宅地などが一体的に整備され、鉄道高架工事により、踏切が除去されました。また、多賀城駅と駅前広場は地域の特性に配慮した公共施設整備を行い、新しい玄関口(交通連結点)として整備されます。
 多賀城駅周辺土地区画整理事業の施行区域面積は8.2ヘクタール、施行年度は平成11年度から平成28年度、総事業費は79億7,300万円(うち、市負担額49億円)、事業進捗率は約86パーセントです。
 土地区画整理事業により、商業地区では、多賀城駅を中心とした地域コミュニティの核としての発展が望まれ、中心市街地としてにぎわいのある街並みを形成します。多賀城駅北口の沿道商業地区では、商業地区と住宅地区のクッション的な役割を担う職住近接による地域密着型の商業ゾーンを形成します。多賀城駅の東側の都心居住A地区・B地区では、居住環境と商業環境との調和を図り、複合的地区と中心市街地の一翼を担う魅力ある街並みを形成します。
 また、区画整理事業とあわせて、連続立体交差事業による鉄道高架化が宮城県による都市計画事業(都市高速鉄道事業)として行われています。事業期間は平成11年度から平成26年度、施行延長は約1.8キロメートル、総事業費は128億円(うち、市負担額24億円)、踏切除去は4ヶ所です。高架下空間は、観光案内所、自転車等駐車場、警察官立寄所として利用されます。
 さらに、多賀城駅北地区では、市街地再開発事業が進められており、施設は駅周辺に図書館やカフェ・レストランの入ったA棟、老人デイサービスセンターや子育て支援施設、サービス付き高齢者向け住宅を含む福祉施設の入ったB棟、立体駐車場のC棟で構成されます。地区面積は1.0ヘクタール、施行期間は平成25年度から平成28年度、全体事業費は52億4,000万円となっています。

(3)視察から得られた考察
 多賀城市では、鉄道と道路が平面交差していたため、主要な踏切において慢性的な交通渋滞が発生し、市街地が分断されるなど、安全で快適なまちづくりを進めるうえで大きな障害となっていましたが、鉄道を高架化することで解決されました。
 現在の春日部駅周辺は、中心市街地が鉄道で分断されており、人や物の往来が妨げられているだけではなく、商業の活性化の妨げにもなっています。
 本市でも、連続立体交差事業を推進し、併せて中心市街地のまちづくりが進められており、今回の視察は大変参考になりました。
しかし、多賀城市においても、完成までの道のりは長く、平成5年度に連続立体交差事業の新規採択、平成10年度に当初都市計画決定、平成16年度に事業認可、平成18年度に事業工事着手、平成25年度に新駅舎完成・開業と非常に長い年月がかけられていることがうかがえます。
 また、駅周辺の市街地再開発事業の施行期間は平成28年度までとなっておりますが、建設はこれからとなっており、建築費の高騰に苦慮しているという話でした。建築費の高騰については、本市においても検討課題となってくるのではないかと思いました。

視察の様子
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