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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
厚生福祉委員会
視察先
福岡県 糸島市
視察案件
障がい者雇用の取り組みについて
実施日
平成26年10月21日
参加者氏名
金子 進、海老原光男、水沼日出夫、大野とし子、
並木敏恵、古沢耕作、山崎 進、武 幹也

視察結果概要

(1)視察先の概要
 糸島市は、中国の歴史書「魏志倭人伝」に記されている古代国家「伊都国」があった地です。大陸との玄関口として古くから文化が栄え、様々な史跡や遺跡などが市内に残されています。現在の糸島市は、平成22年1月1日に前原市と二丈町、志摩町が合併して誕生しました。JR筑前前原駅を中心とした市街地は、江戸時代に唐津街道の宿場町として栄え、以後糸島地域の政治、経済、文化、交通の中心地として発展しています。主要な公共輸送機関として市域を東西にJR筑肥線が走っており、昭和58年に福岡市営地下鉄と相互乗り入れが行われ、平成12年には筑前前原まで複線化されています。また、平成17年度には、九州大学が糸島地域へ移転し、伊都キャンパスの開校を契機として連携を深め、九州大学の知的資源と糸島市の地域資源を融合した学術研究都市の実現に向けて取り組んでいます。

(2)視察内容
 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、事業主に対して、その雇用する労働者に占める身体障がい者、知的障がい者の割合が一定率以上になるよう義務付けており、平成25年4月から障がい者の法定雇用率が引き上げられています。糸島市では、平成20年度から市内の企業を対象にセミナーを開催し、就労支援の啓発に力を入れてきました。更に、合併以前から「就労して自立したい」との強い要望が障がい者団体から出されていたことを受けて、平成23年度から就労支援専門員が配置されています。就労支援専門員は、嘱託職員1名の配置で、勤務体制は月曜から木曜までの週4日です。障がい者支援として、求人情報の収集、求職活動・就労継続の支援が行われています。また、企業支援として障がい者雇用の啓発・雇用促進が職務になっています。企業との相談、支援、連絡調整では、企業訪問の際に助成金や雇用促進のパンフレットなどを持参しており、年を追うごとにその件数は伸びていました。また、障がい者支援では、ハローワークへの同行、履歴書のチェック、模擬面接、面接への同行などの支援が行われており、積極的な就労への支援体制が構築されています。

(3)視察から得られた考察
 障がい者への就労支援として、平成20年度から行われているセミナーでは、市内の企業を対象に、障がい者雇用の関係機関などから制度の解説や雇用に積極的な企業の雇用事例の報告が行われたほか、平成24年度には福祉施設や医療関係者を対象にした就労の現状、就労支援体制の事例報告などが行われ、障がい児の保護者に就労前の準備や支援体制への理解が深まったほか、企業からの問い合わせも増え、資料提供や申請窓口の紹介を行うことにより雇用に繋げていました。組織的な啓発促進が形になった良い例になっています。
 また、就労支援専門員が関わった就労者数は平成22年度から平成25年度までの4年間で総数で73名となっており、細かな支援が実を結んでいることがわかりました。
 今後については、障がい者就労支援関係団体や施設とのネットワークづくりの強化が課題であるとのことでしたが、それぞれの支援事業がバランスよく進められている印象を受けました。セミナーを通しての啓発と支援専門員の直接的な支援により、新たな分野の企業にも積極的なアプローチが期待される事業であると考えます。

視察の様子
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