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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
総務委員会
視察先
兵庫県 尼崎市
視察案件
提案型事業委託制度について
実施日
平成26年10月22日
参加者氏名
小久保博史、矢島章好、卯月武彦、鬼丸裕史、
滝澤英明、鈴木一利、会田幸一、栗原信司

視察結果概要

(1)視察先の概要
 尼崎市は、阪神広域圏に属し、大阪平野の西部、兵庫県の東南部に位置し、東西8.3キロメートル、南北11.5キロメートル、平成26年4月1日時点で人口447,597人、総面積50.27平方キロメートルとなっています。
 尼崎市では、公共の果たす役割が増えてきている中、公共サービスを担う民間企業の増加や、NPO法人、市民活動団体、ボランティアなどの活動の活発化を踏まえ、今後の公共サービスの在り方として、行政だけでなく、市民や企業などのそれぞれの長所を活かし、対等な立場で担っていくことが重要と考え、提案型事業委託制度を導入しています。この、提案型事業委託制度について、事業概要などを伺いました。

(2)視察内容
 尼崎市の提案型事業委託制度とは、行政が実施している事業を対象に、市民団体や民間事業者の知恵とアイディアが盛り込まれた提案を募り、その内容が市民にとって有益であれば、より良い形で委託化を進めようとする制度です。単に、行政の効率化という事業委託の一面だけでなく、市民や事業者の政策提案機会の拡大、シチズンシップ(市民権)の向上、社会的な企業の振興も目的とし、進めています。
 この制度の募集内容として、現行の事業をそのまま引き継ぐ委託先を募集するのではなく、民間のアイディアや工夫が盛り込まれ、コストやサービス面からも、市民にとってサービスの向上に繋がる提案に限られます。提案は単年度だけでなく、複数年(最長3年間)の提案も可能となっています。ただし、提案を募集する事業は、尼崎市で行っている「事業たな卸し」を経た事業になり、平成26年度では約700事業が対象となっており、来年度の27年度には、ほぼ尼崎市の全事業が対象予定となっています。
 平成25年度の実績としては、6件の提案を受け、その内、「コミュニティ連絡板維持管理事業」、「あまがさき環境オープンカレッジ推進事業」、「こみ減量・リサイクル推進事業」の3件の委託化が図られた。
 担当者の話では、年間約40件の問い合わせがあるが、採択までのハードルが高いと判断されたり、市役所業務のアウトソーシング(外部委託)が進んでいたこともあり、すでに同様の事業をプロポーザルにて行っていたりなど、提案件数が伸び悩んでいるとのことでした。

(3)視察から得られた考察
 行政は、最小の費用で最大の効果が得られるよう業務を行う必要性があり、事業委託制度はそれを実現させるための一つの手法です。
 尼崎市で行われている「提案型事業委託制度」は、行政の効率化にとどまらず、市民の行政への参画を促すなどの多面的な意義もあり、魅力的な制度ではありますが、住民アンケート調査でも市政への関心は薄いとの結果が出ていることや、提案数も平成25年度で6件となっていることからも、課題も多いとも感じられました。
 しかしながら、一般的な事業委託では行政側が仕様を決めているため、行政側の都合が多分に含まれていることが結果的に無駄に繋がっていたり、提案しようとしている方とお話をすることで、通常業務ではなかなか気付けなかった課題が浮き彫りになったりするなど、一定の効果はあるように思われます。
 当市において、同様の制度をすぐに導入することは難しいと判断されますが、今後の業務効率化や住民共同などを考える上で、有意義な事例でした。

視察の様子
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