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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
総務委員会
視察先
滋賀県 草津市
視察案件
ファシリティマネジメントの推進について
実施日
平成26年10月21日
参加者氏名
小久保博史、矢島章好、卯月武彦、鬼丸裕史、
滝澤英明、鈴木一利、会田幸一、栗原信司

視察結果概要

(1)視察先の概要
 草津市は、日本最大の琵琶湖を有する滋賀県の南東部に位置し、南北約12キロメートル・東西約9キロメートルと、やや南北に広がった地域で、平成26年3月末日時点で人口127,610人、総面積67.92平方キロメートル(内、湖面分19.70平方キロメートル)となっています。
 草津市では、約600近くの市有建築物の大半が、10年後には築後30年を迎えることもあり、その機能維持には、大規模改修や設備の更新が必要となってきています。そこで、厳しい財政状況の中、既存建築物を新たに立て直すだけでなく、費用対効果の高い維持管理を行いつつ、総合的・長期的視点に立って最適化していく「ファシリティマネジメント」の考え方を取り入れて運用されている草津市の取り組みについて、事業概要などを伺いました。

(2)視察内容
 草津市では、ファシリティマネジメント推進基本方針を「利用価値を重視し、フレキシビリティを持ち、長期に渡って活用される市民に愛され親しまれる公共施設の実現」とし、@長期的な需要と供給のバランスを見据えた施設の利活用・供給・処分、A維持管理費の縮減、B施設整備及び運営維持管理の効率化、C適切な保全工事による施設の長寿命化及び工事費の縮減・平準化、D法定点検の適正な実施、E想定されるリスクや社会動向に応じた施設性能の実現、などを基本施策としました。
 また、早期に着手すべき推進方策としては3つの方策が打ち出されています。一つ目は、施設の長寿命化を目指した適切な保全業務の実施です。内容は、保全マニュアルの整備、中長期的な計画に基づく保全業務、日常点検や定期点検、保全業務の更なる改善、となっています。
 2つ目は、市有施設の一元的な管理ができる保全マネジメントシステムの構築です。今までは、施設の管理を担当している課が、それぞれの判断により施設の保全業務を行っていましたが、市有施設の各種データを一元的に管理することにより、市全体での計画的で効率的な保全業務の実施の判断材料とすることができるため、システムの整備を進めています。
 3つ目は、適切な役割分担に基づく実施体制の構築です。2つ目の一元管理システムを活用し効率的な保全業務を推進するには、施設管理担当者が円滑に業務を行えるよう、情報交換や相互の支援・協力を行える体制の強化・充実が必要です。そこで、将来的にはこのファシリティマネジメントを専門的に担当する新たな部署が必要であり、設置の検討されています。
 現在は、市有施設の各種データを収集し終えたばかりということもあり、具体的な中長期的計画等はこれから策定予定、とのことでした。

(3)視察から得られた考察
 視察研修の中で担当者から、「今後の多様化する住民ニーズに応えていくには、社会動向や財政状況を複合的に勘案するとともに、長期的な視野を持ち、汎用性のある施設管理・運用が必要」との言葉がありました。公共施設を新たに作ることは、初期投資による財政負担が大きいだけでなく、維持管理費も増えてしまいます。既存施設を、現状通りの管理運営を行うだけでなく、いかに柔軟性を持たせた有効活用していくのかが問われています。
 本市では、平成26年度中に公共施設白書の完成を予定しており、今後、公共施設の管理・運用などについての方向性の議論が本格化していく中、今後の方向性を決めていくうえでの一つの考え方として、大変参考になりました。

視察の様子
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