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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
新風会
視察先
岩手県 奥州市
視察案件
フィルムコミッションを生かした地域活性化について 蔵の街、音、水、緑のまちづくり
実施日
平成26年7月2日
参加者氏名
小島文男 小久保博史 栄寛美 海老原光男 古澤耕作 吉田剛

視察結果概要

(1)視察先の概要
 水沢市、江刺市、胆沢郡前沢町、胆沢郡胆沢町、胆沢郡衣川村の旧5市町村が合併し、2006年2月20日に誕生。西側を奥羽山脈、東側を北上山地で挟まれる北上盆地の南部に位置する。
 奥州市最高峰の焼石岳を主峰とする西部地域の焼石連峰は、ブナの原生林が多く残されている。また、北上川東側には、北上山地につながる田園地帯が広がり、東端部には、種山高原、阿原山高原が連なっており、地域全域が緑のあふれる豊かな自然に恵まれている。
 人口は約12万人で、県内では盛岡市、一関市についで第3位の人口規模となる。総面積は993.35平方キロメートルと広大で、東京都(2186.6u)の2分の1ほどの広さがあり、県内では宮古市、一関市についで第3位の面積を有する。
 土地の利用状況は、総面積のうち、田が17.7%、畑が4.8%、宅地が3.5%、山林が44.1%で、農地の割合が高く、稲作を中心とした複合型農業により、県内屈指の農業地帯となっている。肥沃な大地からは前沢牛、江刺りんごなど、全国的に有名な農産物を生産している。また、交通の利便性の良さを背景に県内でも屈指の商業集積が進み、工業団地等が整備され、農・工・商のバランスがとれた産業基盤が特徴である。
 胆江地方は東北地方の歴史舞台の中心地として知られ、角塚古墳、胆沢城跡、衣川遺跡群など数多くの史跡が残されている。市中心部の水沢区からは幕末から近現代にかけて多くの偉人を輩出しており、特に高野長英、後藤新平、斎藤実は水沢三偉人としてそれぞれ資料館や生家など史跡も多く残されている。奥州藤原氏に起源を持つ南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗などの伝統産業や、日高火防祭、黒石寺蘇民祭などの祭典も多く、基幹産業の事業展開が図られている。

(2)視察内容
・ フィルムコミッションを生かした地域活性化について
 平成4年1月、大河ドラマ「炎立つ」のメインロケ地に旧江刺市が決定。ロケの協力と地域の観光振興、歴史文化の顕彰等、地域の活性化に必要な諸事業を行うことを目的に「炎立つ」協力実行委員会が平成4年4月に発足。事務局として市役所内に大河ドラマ対策室を設置したのが始まり。
 現在は奥州市ロケ協力実行委員会が組織され、事務局はロケ推進室が行っており、「フィルムコミッション」の名称は使われていないが、平成4年設置当初より、実質的にロケ支援活動が行われてきた。平成13年度から全国フィルムコミッション連絡協議会にも加入。
 ロケセットは仮設のものではなく、地域歴史を顕彰しながら将来の地域振興に結び付けようという目的のもとに、本格的平安建築を再現した歴史公園えさし藤原の郷を整備、同施設を中心に「炎立つ」や、現在放映されている「軍師官兵衛」を含め12本の大河ドラマの他、映画など140本以上のロケが行われてきた。
・ 蔵の街、音、水、緑のまちづくり
 平成2年から都市計画街路整備事業が中町商店街で実施され、これに合わせて「中町振興会」が街路ファサードの統一化を図る「中町まちづくり協定」を制定。その後、平成10年4月に地元の若手有志が設立した(株)黒船が滋賀県長浜市(株)黒壁の協力を得て「黒壁ガラス館」をオープンさせる。 平成12年に旧江刺商工会議所が「蔵の街、音、水、緑」をテーマとしたTMO構想を策定し、装飾灯設置事業や裏径整備事業をTMO事業として実施をする。
ガラス館オープン時は、話題性が高く様々なメディアに取り上げられ、年間10万人以上の観光客が中心市街地を訪れた。それまで中心市街地における交流人口は皆無であり、近隣の商店では、観光客の来街に大きな期待を持ち、商品開発などを行った。

(3)視察から得られた考察
 どちらの事業も、いかにして地域を活性化させるかという目的に向かって、行政、市民の本気度が強く感じられる事業であります。
 歴史公園えさし藤原の郷は、管理運営をするにあたり、民間のノウハウを導入し、効率的、弾力的にサービスを提供するために、官民一体の地域活性化と地域産業の振興を図ることを趣旨に設立をされた、江刺開発振興株式会社が運営を行っているために、市町村合併をした後でも順調に事業が実施をされていますが、蔵の街、音、水、緑のまちづくりについては、TMOが主体となって実施していたため、平成18年の合併を機に、法的根拠がなくなり、平成21年にはTMO機関であった江刺商工会議所が合併して奥州商工会議所となっている。そのため平成20年に「江刺まちづくり革新計画書」を作成し、さらに改良版であり、平成25年からの事業計画である「新江刺まちづくり計画書」を作成し、事業継続のための活動を行っているが、民間主体でのまちづくり事業の難しさを再認識しました。
 本市においても、TMO等が各種事業を実施しているが、より効果を発揮するためにも、今以上の行政との協力が必要であると、改めて認識をさせられました。

視察の様子
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