各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 民主党
- 視察先
- 岩手県 奥州市
- 視察案件
- フィルムコミッション(えさし藤原の郷)を活かした地域活性化について 蔵の街、音・水・緑のまちづくりについて
- 実施日
- 平成26年7月2日
- 参加者氏名
- 矢島章好
視察結果概要
(1)視察先の概要
平成18年2月20日に旧「江刺市」、「水沢市」、「前沢町」、「胆沢町」、「衣川村」が合併して奥州市が誕生した。岩手県の内陸南部に位置する人口12万4700人(平成25年1月31日現在)の県内でも代表的な農業地帯であり、江刺金札米、江刺りんご、前沢牛など全国的に有名な農産物を生産している。
また工業、商業の集積も進んでおり、農・工・商のバランスがとれた産業基盤が特徴であるが、「ライフスタイルの変化」、「意識・価値観の変化」、「居住の郊外化」、「郊外大型店の進出」などにより、中心市街地の商業機能が衰退傾向にあり、街中の求心力が低下している。
(2)視察内容
「えさし藤原の郷」は平成5年にNHK大河ドラマ「炎立つ」が放映されたことをきっかけに、大河ドラマロケを将来の地域振興に結び付けるため「歴史公園えさし藤原の郷」を平成4年8月工事着手、平成5年6月に総事業費36億8,000万円をかけ整備された施設です。ちなみに、大河ドラマ「炎立つ」と「えさし藤原の郷」での経済波及効果は約320億円、平成25年朝ドラの「あまちゃん」では約33億円とそれぞれ算出されており、施設整備による経済波及効果は計り知れないものがあります。そして、現在は約20haの敷地内に約3,770u、117棟の建屋が整備がされ、平成5年以降は現在放映中の「軍師官兵衛」を含め12本の大河ドラマをはじめ映画・ドラマ、さらにはバラエティ番組に至るまでの撮影が行われており、奥州市の地域振興に繋がっている施設といえます。
また、当該施設よりわずか1kmしか離れていない中心市街地の活性化を図るために、歴史的文化財である「蔵」を現代に活かした観光客の誘導について、これまでの経緯、さらには地域主導の「蔵」のまちづくりについての取り組みについても併せてお伺いさせていただきました。
(3)視察から得られた考察
平成5年当時の合併前の旧江刺市の財政規模で、約37億円の施設を建設したという大英断が現在の実績に繋がったということで先見の明があったと言えます。
春日部市においては、このような規模の施設を建設するということはないと考えますが、ソフト面からの『軍師官兵衛』放映後の観光戦略については本市における「春日部フィルムコミッション」業務の参考となる事例でありました。

視察の様子