各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 緑新クラブ
- 視察先
- 広島県尾道市公立みつぎ総合
病院
- 視察案件
- 地域包括ケアシステムについて
- 実施日
- 平成26年2月5日
- 参加者氏名
- 片山いく子、栄寛美、矢島章好
視察結果概要
(1)視察先の概要
公立みつぎ総合病院は、尾道市御調町を中心に周辺の5市1町、人口約7万人を診療圏域とする地域の中核的総合病院です。
病床数は、一般病床が、一般棟156床、緩和ケア病棟6床の162床、療養病床が 、回復期リハビリ病棟60床、療養病棟18床の78床、合わせて240床です。
診療科目は22診療科で、内科、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、総合診療科、小児科、外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、精神科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、放射線科、リウマチ科、リハビリテーション科、緩和ケア科、透析科、歯科、乳腺外来、禁煙外来が設けられています。
地域の中核病院として、ICU(集中治療室)、無菌手術室、マイクロサージェリーをはじめとする高度医療はもちろんのこと、退院後は在宅医療・ケアを積極的に行い、患者本位の医療を提供しています。1974年から、「寝たきりゼロ」をめざし、医療と介護を中心とする福祉の連携を進めてきたこの病院の取り組みは、「地域包括ケアシステム」の構築が求められている現在、「みつぎモデル」として、多くの自治体の参考とされています。
(2)視察内容
院内に設置された回復期リハビリテーション病棟、緩和ケア病棟、療養型病棟だけでなく、病院には行政部門である御調保健福祉センターを併設し、これらを核として介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウス、グループホーム等の公立みつぎ総合病院保健福祉総合施設、訪問看護ステーション、ヘルパーステーションを併設して、退院から在宅療養に移るまで、その後在宅にもどってからの、医療と介護の包括的なケアが受けられるシステムが出来上がっています。今回の視察では、1974年から現在に至るまでのシステム構築の経緯を、中心となった山口昇名誉院長に説明していただくとともに、病院内と併設されている保健福祉センターや多くの介護施設を見学させていただきました。
(3)視察から得られた考察
春日部市も現在「地域包括ケアシステム」の構築が急務となっています。病院と行政の健康福祉部門を統合することによって、まさにシームレスなケアを実現している尾道市御調地域の方法は理想的ですが、介護保険制度がスタートした後、民間の介護事業所が介護に於けるケアを担い、医療機関も複数あって機能分化が進んでいる春日部市では、システム構築について、みつぎ方式をモデルにすることはできません。
しかし、たとえば訪問診療や看護の際には、必ず保健士さんやヘルパーさんと一緒に訪問すること、医学的に裏付けられたリハビリを充実させること、生活リハビリとして一人ひとりの残存能力を生かしながらきめ細かいリハビリを行うことなどを通して、老人保健施設でリハビリした方は100%在宅にもどれる、特別養護老人ホームに一時的に入居された方でも、半数は在宅にもどれる、という成果は目標にすべきことと考えます。
医療や介護のケアが必要になっても在宅で、自分らしい老後を過ごすことができるためには、医療と介護の連携が不可欠であることを実感し、春日部市の今後のシステム構築に生かしていきたいと思います。

視察の様子