各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 建設委員会
- 視察先
- 岩手県 大槌町
- 視察案件
- まちづくり(中心市街地整備事業)について
- 実施日
- 平成25年10月23日
- 参加者氏名
- 鬼丸裕史、荒木洋美、大野とし子、蛭間靖造、今尾安徳、山崎進、
矢島章好、小島文男
視察結果概要
(1)視察先の概要(震災前)
@位置…岩手県沿岸部の概ね中央部 A地勢…沿岸部は限られた平地を山が囲んでおり、北部は断崖地形 B気候…海流の影響で一般的には寒暖の差がない海洋気候で、年平均気温は11℃。夏は比較的冷涼であるが、冬は積雪量も少なく温暖な住みやすい環境 C人口…約1万6,000人(H23.3) D面積…約200平方キロメートル E産業…水産業(漁業・養殖・水産加工等)を基幹産業に、商業、工業、観光業、農林業が主な産業
(2)視察内容
☆中心市街地再生の現状
最近まで中心市街地の再生における基本的な考え方は、「サービス業や商店街が復活すれば中心市街地に賑わいが戻り、中心市街地は再生する」と考えられてきました。その考えに基づき多額の資金が商店街を中心とするサービス産業に投下されてきましたが中心市街地が復活することはありませんでした。つまり、商業は中心市街地の大事な役割を担っても、中心市街地の賑わいをゼロから創造する若しくは中心市街地の切り札的な役割を担うことは難しいのです。
☆大槌の中心市街地のあるべき姿
@歴史・文化(大槌、小槌)
中心市街地を支えるのは内需。町民に慕われるエリアを形成するために御社地の復元と併せて大槌村、小槌村の歴史を感じられる町並みの実現
A社会的要因(高齢者社会で選択されるためには)
今後、大槌町は高齢化率が高まることから、高齢者の利用や消費が中心市街地を支えていく考えのもと公共施設、集客施設を配置
B賑わい(用途が混ざり合う)
所謂ゾーニングの考え方を排除し、規模を拡大するのではなく、コンパクトなエリアに職住産が混在する中心市街地を形成し、あらゆる世代の流入を促す。
C外貨の獲得(観光産業・スポーツ)
豊富な海洋資源、冬期間でも積雪の無い立地条件を活かし、外貨の獲得が可能なコンテンツ(施設、ソフト事業)形成を行う。
D大槌町財政力で維持できる身の丈に合った事業構築
大槌町民によって、未来永劫維持できる規模での整備。見込みや想定で施設の規模を決めるのではなく、利用者やテナントの動向に合わせた開発を行う。
☆中心市街地アーバンデザインの目標
大槌町の中心市街地の都市計画を考えるにあたって、「安心・安全なまち」をつくることを前提に、以下の七つのアーバンデザインの目標を掲げました。アーバンデザインの目標は、都市計画の目標であるばかりではなく、自立するまちを目指す総合的な都市政策の目標でもあります。
@歩いて楽しいまち A歴史性を再認識し、歴史を生かす B湧水、イトヨと豊かな周辺自然環境を保つ C半径200メートルの低層高密度の中心づくり D用途が混ざり合う中心市街地 E将来世代に重い負担をかけない公共施設の計画 F中心市街地は大槌町の産業を創り出すエンジン
(3)視察から得られた考察
大槌町は、アーバンデザイン(都市設計)の目標を掲げ中心市街地の整備を進めています。今後、春日部市においても、魅力あるまちづくりを検討する中で、今回の大槌町の取り組み方法を分析し参考にしながら、調査研究をより一層推進していきたいと考えています。

視察の様子