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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
厚生福祉委員会
視察先
福岡県 久留米市
視察案件
久留米市地域密着共生型福祉特区について
実施日
平成25年10月23日
参加者氏名
岩谷一弘、松本浩一、金子 進、渡辺浩美、井上英治、川鍋秀雄、中川 朗

視察結果概要

(1)視察先の概要
 久留米市は、福岡県南西部に位置し、九州の中心都市である福岡市から約40キロメートルの距離にあります。市域は東西32.27キロメートル、南北15.99キロメートルと東西に長い形状を示し、行政面積は229.84平方キロメートルです。
  また、県南部の中核都市で、九州自動車道と大分・長崎自動車道のクロスポイントにも近く、国道3号ほか5つの国道が通っていて、交通の要衝となっています。
  地勢は、市の北東部から西部にかけて九州一の大河・筑後川が貫流し、筑後川に沿って南側を東西に耳納山、高良山、明星山などの山々が連なっています。全体的に東南の山麓・丘陵地から、西北から西部にかけて緩やかに傾斜し、筑後川によって形成された広大な沖積平野の平坦地に続いています。

(2)視察内容
 久留米市では、高齢者のための小規模多機能型居宅介護事業所の整備が全国的に見ても進んでいるという特徴を活かし、障がい児(者)に対するサービスの向上、ノーマライゼーション意識の浸透などを目的として、同事業所における障がい児(者)の受け入れについて、構造改革特区の認定を申請し、平成19年3月末に認定されました(富山県に次いで全国で2番目)。なお、平成18年10月から介護保険の通所介護事業所での障がい児(者)受入についても、基準該当障害福祉サービス事業所での利用として可能となっていたことにより、特区認定を機に、特区認定事業と併せて事業を展開しました。
 事業の効果として、障害福祉サービス及び障害児通所支援については、既存の指定事業所だけでは、利用者の需要に対応しきれておらず、本事業によるサービス提供(通所介護事業所によるものを含む。)が、それを補完するものとして期待でき、利用者数の推移等からも、機能しているものと評価できます。
 また、高齢者と障がい児(者)を併せて受け入れ、双方の交流が生まれることなどによって、ノーマライゼーションの意識の浸透など、双方に好ましい影響を与えることも予想され、現に、児童の受け入れにより高齢者の表情が豊かになった、などの報告もあります。
 事業の課題として、制度上の課題となりますが、小規模事業所で障がい児(者)を受け入れた場合、通常は収入減につながることなどから、現時点において、登録事業所の数が、当初の特区認定対象のの4か所に対して、3ヵ所(うち1か所は、変更認定による追加登録)と伸び悩んでいる状況です。また、現在に至るまで、通所介護事業所を含む基準該当事業所に対する指導・監査等は実施しておらず、今後、適正な事業運営や利用者サービスの確保等に向け、その実施を検討する必要があります。

(3)視察から得られた考察
 この特区は、高齢者のための小規模多機能型居宅介護事業所において、障がい児(者)の受け入れを行うというものです。これは、久留米市が全国的に見て比較的小規模事業所の整備が進んでおり、一方で、障がい児(者)の暮らしを支援するサービス基盤の整備は、充分とはいえない状況にあることが由縁となっています。
 障がい児(者)の受け入れをしている小規模多機能型居宅介護事業所にも、訪問させていただきましたが、施設のスタッフは、細心の注意をはかり、利用者に対してきめ細かな対応をしていることがうかがえました。また、障がい児(者)と高齢者が、仲むつまじくしている様子もうかがえ、高齢者にとっても良い影響を与えているように感じました。しかし、施設で障がい児(者)を受け入れると、通常は収入減になってしまうことなど、施設側の負担は大きく、様々な面からにおいて行政側からの援助は不可欠であると感じました。
 春日部市において、高齢者福祉施設も障がい者福祉施設も、十分であるとは言えません。このことは、全国的にみても同じことが言えます。
 今まで以上に知恵と工夫をこらし、障がい児(者)も高齢者も地域で安心して生活できる環境整備を進めていかなければならないと思います。

視察の様子
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